<ホワイトソックス5-8レイズ>◇14日(日本時間15日)◇レートフィールド
メジャー1年目のホワイトソックス村上宗隆内野手(26)が14日(日本時間15日)、本拠地でのレイズ戦に「3番一塁」でスタメン出場し、4日以来、9試合ぶりとなる5号2ランを放った。過去4戦こそ無安打だったものの、リーグ3位タイの通算15四球と選球眼は健在。試合には敗れた一方、ほぼ完璧な豪快な一撃で、あらためてその存在感を証明した。
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右翼ポール際へ伸びて行く打球を、村上は表情ひとつ変えることなく見つめていた。9回裏2死一塁、カウント1ストライクからの2球目。救援右腕ゴメスが投じた時速94・1マイル(約151キロ)の内角高めの速球に対し、鋭角に振り抜いた。バットの芯であれば、ラインドライブがかかり、ファウルになったかもしれない。だが、ほんの少し「芯づまり」の打球は、フックすることなく、一直線で右翼ポール際へ消えていった。
「初球空振りして、これじゃないなという感じで修正できて、しっかり速い球を捉えられて良かった」。4日以来、遠ざかっていた手のひらの感触は、試合の大勢が決していても、心地よかった。
デビューした開幕戦から3戦連発と、華々しいスタートを切った。それでも、チームは3連敗。過去3年連続で100敗以上を喫し、再建途上のチーム事情を頭では理解していても、もどかしさはつきまとっていた。だからこそ、本拠地開幕シリーズで3連勝した際には、近寄ろうとする周囲の報道陣に対し、柔らかい笑みを浮かべた。「今日は、僕はいいでしょう」。1年目ながら主軸として注目されても、最優先すべきことがチームの勝利であることに変わりはない。
過去8戦ノーアーチ、4戦無安打でも、打席でのアプローチが乱れることはなかった。この日は2打席目まで、いずれもフルカウントから四球を選び、今季通算15四球と、リーグ3位タイとなった。その後の、右直、中飛とも紙一重の打球だった。初対戦の相手が続く段階でも、当てにいくことなく、形を崩されずに自らのスイングを貫く姿勢は変わっていない。
「そんなにうまくいくことはないと僕の中では思っていたので、(結果が出ない間も)全く焦りはなかった」。メジャーデビューは、村上にとってあくまでもスタート地点。日本史上最年少の3冠王は、自らのひと振りで、一喜一憂する男ではない。