村上宗隆、洞察力と技術が凝縮された5戦連発「毎日状態見ながら」結果出ても常に足元見つめ直す

ダイヤモンドバックス戦に出場したホワイトソックス村上宗隆(ロイター)

<ダイヤモンドバックス11-7ホワイトソックス>◇22日(日本時間23日)◇チェースフィールド

【フェニックス(米アリゾナ州)22日(日本時間23日)=四竈衛】ホワイトソックス村上宗隆内野手(26)がダイヤモンドバックス戦に「3番一塁」で出場。MLBの新人タイ記録、日本人としては昨年のドジャース大谷翔平投手(31)以来となる5試合連続本塁打の10号2ランを放った。24試合目で2桁本塁打に達し、本塁打王争いでもトップに1本差の単独2位。日本最年少の3冠王が、メジャーを席巻し始めた。

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137メートルの特大弾にどよめく敵地ダイヤモンドを、村上は表情を変えることなく、淡々と1周した。5点ビハインドの7回でも、集中力に乱れはなかった。右腕トンプソンとは初対戦ながら、四球直後の初球。重心を左足に残したまま、完璧に振り抜いた。「頭の中で軌道をイメージしながら入っていきました」。横手から投げるシンカー回転の速球系の場合、ボールの上をたたけばゴロになりやすい。体のギリギリ近くまで引きつけ、29度の角度を付けたひと振りには、パワー以上に、洞察力と技術が凝縮されていた。

5戦連発への期待感は、米国内でも高まっていた。試合前、ホ軍のクラブハウスが入室可能となる直前には、前日以上に多くの米国報道陣が待機していた。お目当ては、村上だった。地元シカゴだけでなく、全国紙、敵地アリゾナのメディアが、村上を取り囲んだ。トラウト、ジャッジらスター選手が年1回の遠征地を訪れる際、地元メディアからカード初戦前に取材の要望があることは珍しくないが、同地2戦目での対応は異例。「ジャパニーズ・センセーショナル(日本の衝撃)」と表現される村上への注目度は、一気にヒートアップしていた。

それでも、村上は自らの置かれた立場を謙虚に客観視していた。試合前の時点で並んでいたジャッジについて、「意識するほど、僕は大した選手じゃない」と笑った。2桁本塁打を放ち、大谷を超える量産ペースとなっても、試合後は「比べるのも申し訳ないくらい」と真顔で言った。

昨オフの移籍交渉の際、速球への対応力を指摘する声に対して、「僕の課題」と素直に受け入れた。その一方で、「自分のことをホームラン打者だと思っている」との自負を忘れたことはない。連続記録はいつか途絶える。長丁場では、スランプも避けられない。それでも、自力で克服していくしかない。

「引き出しが多いことはすごくいい。正解か不正解かは一概には言えないですけど。引き出しが増えていることは18歳、19歳の時の僕よりはもちろん今の方がある。毎日状態を見ながらやっていければなと」。結果が出ても、常に足元を見つめ直す。まだ24試合目。慌ただしい周囲を、村上は、どこか人ごとのように見渡していた。

▽ホワイトソックスのベナブル監督(村上について)「スイングする決断をして、ハードにコンタクトできている。とても印象的。どの球に対しても正しい情報を集め、自分自身で集中している。ゲームプランを理解して、質の高い打席を続けている」。

【動画】村上宗隆、特大の5戦連発10号2ラン!