<ドジャース6-0カブス>◇26日(日本時間27日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が「激レア弾」を放ち復調の兆しを見せた。「1番DH」でカブス戦に出場し、3打数3安打。今永昇太投手(32)との対戦3打席では1四球を含む2打数2安打をマーク。第4打席で60打席ぶりに放った6号ソロは、曲芸打ちで左投手から左方向へ運びチームの連勝に貢献した。次回の先発は登板間隔を今季初の中5日とし、28日(同29日)のマーリンズ戦となることが発表された。
◇ ◇ ◇
ドジャース移籍後最長ブランクとなる12試合ぶりの1発は、メジャーでも希少な“激レア本塁打”だった。
7回無死、左腕ミルナーの初球を捉えた。プレート板の一塁側からアンダー気味のサイドスローで投げ込んでくるタイプの左投手は、左打者からすれば背中から向かってくるような軌道になる。加えて、ツーシームは体側へシュートする変化で、本塁打にするのは極めて難しい。大谷は中継局のインタビューで「昨日あたりからちょっとずつ良くなっているかなと思うので、もう少し我慢しながら改善したい」と振り返った。
激レアぶりは過去11年のデータが証明している。左投手のシンカー系のツーシームを逆方向に柵越えしたのは、MLB公式データ解析システム「スタットキャスト」が15年に導入されて以降、わずか3本しかない。さらにアームアングル(腕の角度)0度以下(ミルナーはマイナス4度)で条件を絞ると、15年以降で大谷のみ。一方で、同じ球種の同じコースを右方向へ引っ張ったアーチは75本。数値で比較しても、曲芸技の1発だったと言える。
それを可能にしたのは、原点回帰でもあった。打撃面で常に基本とするのが「構え」。試合後のインタビューで「やっぱり構えが一番だと思っているので。それが全ての始まりですし、そこが整えばもう少しいい打席が送れる」と言った。開幕から内角へ厳しい攻めが続き、ストライクゾーン外での勝負も目立った。打ち気とともに、立ち位置や両足のスタンス幅、ホームベースから体の距離なども微妙にズレが生じる。本来の形で安定すれば、大谷らしい打撃は戻ってくる。
この日はカブス先発の今永との対戦で2安打を放ち、第1打席は四球を選んで出塁。盗塁からチャンスメイクし、先制点で流れをつかむきっかけを作った。左腕ミルナーからの本塁打を含め、4打席で4度出塁。ロバーツ監督は「ショウヘイにとってすごくいい日になった。時には(左打者には不利とされる)左投手が調子を戻してくれることがある。シリーズ全体としても良かった」と高く評価した。60打席ぶりの1発が、復調のきっかけとなるか。好感触の継続が鍵となる。
◆左打者が左投手の内角低めツーシームを本塁打にした例 過去11年で柵越えは3本。直近では昨年、アスレチックスの新人ニック・カーツが9月14日、レッズの好投手ロドロから左越えに本塁打を放った。メッツのフアン・ソトがパドレス時代に23年に、ド軍の同僚のフレディ・フリーマンはブレーブス時代の18年に、同じ球種の同じコースを逆方向に運んだ。なお、データではブルワーズのクリスチャン・イエリチも同条件で本塁打となっているが、これは左翼線へのラッキーな当たりが、ランニングホームランとなったもの。