菅野智之が日米150勝「自分1人ではできなかった」14年目で到達 突如体調不良も責任全う

ダイヤモンドバックス戦に先発したロッキーズ菅野智之(ロイター)

<ロッキーズ4-2ダイヤモンドバックス>◇16日(日本時間17日)◇クアーズフィールド

【デンバー(米コロラド州)16日(日本時間17日)=四竈衛】ロッキーズ菅野智之投手(36)が、本拠地ダイヤモンドバックス戦に先発。体調不良の中、5回2失点と粘りの投球で、今季4勝目(3敗)を挙げた。日米通算150勝(日本136勝、米国14勝)に到達した。

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いつになく疲れた表情ながら、試合後の菅野は、ホッとしたような笑みを浮かべた。プロ通算14年目で届いた区切りの数字の重みは、日米通算315試合に登板(救援2)してきた者にしか語れなかった。

「素直にうれしいです。自分1人の力ではここまで到達できなかったと思いますし、巨人やオリオールズ、今のチームメートにすごく感謝してます」。3勝目以降、2試合で足踏みし、この日が「三度目の正直」だった。今となっては、13年のプロ初勝利の記憶は定かではない。だが、勝つことの難しさは、今も変わらない。「ただ通過点なので、また次の151勝目を目指してやっていきます」。

本来であれば、白星どころか、登板すら危ぶまれる状態だった。試合開始の約1時間前、クラブハウスでの食事後、突如、体調が一変した。「吐き気と下痢が…。多分、食あたりだと思うんですけど、急に気持ちが悪くなってしまって」。薬を服用したとはいえ、応急処置で劇的に回復するはずもない。それでも、先発の軸として「回避」は選択になかった。首脳陣からは「スターター」を起用して、少しでも回復するまでの時間の猶予を得る案も示された。だが、巨人のエースとして幾多の白星をつかんできた男の責任感は、ロ軍のユニホーム姿になっても変わっていなかった。「マウンドに上がると決めた以上、自分のできる仕事をしようと思っていました。言い訳はしないように」。

万全には程遠い体調を、これまでに培った高度な投球術と強靱(きょうじん)な精神力で補った。5回まで毎回の10走者を許しながら、2併殺などで2失点に食い止めた。「うまくタイミングを外したり。根気強く投げられたような気がします」。

東海大卒業後、ドラフト指名拒否で「浪人」。さらに、分業制が細分化し、先発に白星が付きにくい中、150勝にたどり着いた。「(数字は)あまり意識していない。そこは自分の中ではいいことだと思っていて、まだまだ自分がやれるという活力がある証拠なので」。

試合後、クラブハウス内では、シェイファー監督が菅野の記録をたたえ、全員から祝福された。それでも、「通過点」「まだまだ」と繰り返す菅野は、自らの野球人生のゴールを定めるつもりはない。