大谷翔平、投手専念から初の代打出場 攻撃の選択肢が広がる二刀流の強み/Nobu’s Eye

<ドジャース5-4レイズ>◇17日(日本時間18日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が“秘策”で打席に立った。左ひざが万全ではない状態でレイズ戦に先発し、6回7安打4失点で今季7勝目。この日は「投手専念」の予定だったが、6回2死から代打で起用された。二刀流選手の特別ルールとは無関係で、「5番DHロハス」のスポットを「5番投手大谷」に変更したもの。状況によってはリスクが伴うが、二刀流の強みを最大限に生かす奥の手で、戦い方の選択肢が広がった。

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大谷の二刀流は、選択肢や可能性を広げられることにも価値がある。3番フリーマンの逆転2ランで勢いづいた6回2死、代打で起用された。初球打ちで遊ゴロに倒れたが、投手専念で臨んだ試合としては初の代打。ロバーツ監督から告げられたのは6回表を終えた直後で、「もちろん常に準備してますし、投げるだけの日も打つ方の準備を登板前にやるので、特に不安なく、そのままの感じでいきました」と振り返った。

両リーグでDH制が採用された22年シーズン以降、二刀流の大谷を除いて基本的に投手が打席に立つことはない。終盤で大差がつき、野手を登板させる状況となった場合にDHを解除することはあるが、勝つことを踏まえたものではない。控え選手を使い切り、DHの打者を守備に就かせたり、延長戦が続いて投手が打席に立つ場合も出てくるが、いずれもなるべく避けたい最終手段だ。対照的にこの日の采配は、大谷が二刀流だからこその超アグレッシブな“攻撃的戦略”だった。

左膝に不安があった今回のように、体の状態を考慮しなければいけない状況ではメリットがある。必要な場面でのみ打者起用することで、負担を最小限に抑えられる。また、仮に投手戦で同点の状況が続いた場合、チャンスが訪れた終盤に投手大谷を代打で使うことで、得点の可能性が高まる。その時点で球数が少なければ投げ続ける選択肢もあり、“試合途中からの二刀流”という変則的な起用も考えられる。

デメリットとしては、大谷の交代後は投手が打順に入ること。その都度、代打で対処可能だが、最悪の場合は救援投手が打席に立つことにもなり得る。攻撃的かつリスク覚悟の、いわば、もろ刃の剣の秘策。ロバーツ監督は「彼なら本塁打を打てるし、本人とも話して、打席に立つことは問題ないと言っていた。あの回が打席に立たせる唯一のチャンスで、そのカードを切る価値があった」と起用の背景を語った。

展開、打順、降板のタイミングなど、さまざまな条件が合致する必要がある。いずれにしても、戦い方の選択肢が増えることは間違いない。思いがけない驚きが訪れる二刀流。周囲から「見ていて楽しい」と言われる由縁が、そこにある。