山本由伸 レギュラーシーズン初完投で2年連続10勝到達 勝敗を分けた投球術とは

<ヤンキース2-8ドジャース>◇ダブルヘッダー第1試合◇19日(日本時間20日)◇ヤンキースタジアム

【ニューヨーク19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(27)が、ヤンキースタジアムで格の違いを見せた。ダブルヘッダーの第1試合に先発し、9回4安打2失点でレギュラーシーズン初完投。2年連続の2ケタ10勝目を手にした。相手先発はエース格の右腕シュリトラーで、両リーグのサイ・ヤング賞候補の投げ合いとなった。“無心”の省エネ投球と、流れの変わり目で投じた7回の1球。勝敗を分けた投球術に迫った。

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相手の反撃ムードを、山本が1球でかき消した。2点リードの7回無死二塁。ここで1死三塁の得点機を作らせないお手本のようなボールを投げ込んだ。「しっかり制球できる感覚もありましたし、冷静に打者に向かって投げました」。左打者の3番ドミンゲスへの初球、内角高め、ボールゾーンに浮き上がる軌道の96・4マイル(約156キロ)直球で三飛に仕留めた。ため息がもれるヤンキースタジアム。高さを間違えればゴロで進塁打になりやすいが、意図通りに内野フライを打たせた。

直前の攻撃、1番大谷から上位打線が3者凡退。僅差(きんさ)の終盤で流れの変わり目。それでも、山本は惑わされない。繰り返し口にするのは「いつも通り」。徹底した準備とルーティンを継続することで、自信を持って腕が振れる。ダブルヘッダーで、なるべく長い回を期待されていた。「マウンド上がる時はダブルヘッダーはあまり考えずに」。雑念を入れない。いい意味での“淡々と”が際立った。

両リーグのサイ・ヤング賞候補による投げ合いは対照的だった。身長198センチのヤ軍シュリトラーは100マイル(約161キロ)前後の速球を中心に球威で押し、178センチの山本は95マイル(約153キロ)前後の速球を含む全6球種で勝負。「無駄な力みなく投げていけましたし、いいコースにいって、いい結果につながった」。序盤の3回で71球を要し、リズムに苦しんだシュリトラーと、わずか28球でパーフェクトに抑えた山本は、数字の結果以上に投球術の差があった。

2年前と同様、ニューヨークでヤ軍を圧倒した。「球場の景色というか雰囲気が好きです」と心地よさを背に、レギュラーシーズン初完投で2ケタ10勝に到達。ダブルヘッダー第2試合で余すことなく救援陣を投入できる形を作った。「9回を投げることは勝ち星以上にブルペンを助けたり、チームにとっていいことが結果以上にあると思うので」。ミッションを完遂した仕事人。試合を締めた直後は女房役ラッシングと抱き合い、安心したように笑った。