ジャイアンツの植松泰良クオリティ・コントロールコーチ(42)が29日(日本時間30日)、本拠地でのブルワーズ戦で日本人として、初めて一塁ベースコーチとして「デビュー」した。ロビンソン一塁コーチがプライベートな理由で一時離脱したことに伴い、ジ軍首脳陣は今季、戦術担当を担ってきた植松コーチに週末の敵地パドレス4連戦までの「代行」を一任。初戦は強豪相手に大勝スタートを切った。
過去、春季キャンプ中に経験があったとはいえ、「ずっと目指してきた」立場で迎えた公式戦は、雰囲気が違った。「最初は緊張しました。(相手投手の)球種、配球、クセなどを(走者に)伝えるのは、気が抜けないし、忙しい感じでした」。22年、日本人として初めてメジャーでフルタイムのコーチに就任して以来、戦略、データ分析などの分野を担ってきた。それでも、試合中にグラウンドに立つのは初めて。「手を抜かずにやってきたことで、いいチャンスが巡ってきたのかもしれません」。
米国、日本でもプロ選手としての経験はない。それでも、08年にブルペン捕手として採用されて以来、誠実な働きと人柄が信頼を集め、指導者として重責を任される立場となった。「私のような、プロでもメジャー経験のない者でも、メジャーでベースコーチを務めることができるのだと知っていただければ…」。大谷ら現役トップ選手だけではない。指導者として、日本人の開拓者となっている植松コーチの功績は、現時点では、まだまだ計れない。
◆植松泰良(うえまつ・たいら)1983年(昭58)9月26日生まれ、千葉県館山市出身。02年に西武台千葉を卒業し単身渡米。カリフォルニア大サンタバーバラ校を経て南イリノイ大カーボンデール校でアスレチックトレーニングの学位を取得し06年卒業。同年ジャイアンツ傘下3Aフレズノでブルペン捕手のインターンに参加。07年にブルペン捕手となった後、08年メジャー昇格。22年にアシスタントコーチに就任し日本人初のMLBフルタイムコーチに。25年からクオリティー・コントロールコーチ。