<ナ・リーグ優勝決定シリーズ:ドジャース2-6ブルワーズ>◇第3戦◇14日(日本時間15日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)14日(日本時間15日)】ドジャースがブルワーズを相手に痛恨の逆転負けで3連敗を喫し、崖っぷちに立たされた。「6番DH」で出場した大谷翔平投手(32)は、2打数1安打。第4打席で中前へクリーンヒットを放ち、打球速度113・5マイル(約183キロ)をマークした。シリーズ突破率2・4%と追い込まれた中で、奇跡の男が目覚めるのか-。斎藤庸裕記者が占った。先発したブレーク・スネル投手(33)は、7回に突如崩れて計4失点。元プロ野球投手で日刊スポーツ特任記者の鈴木優氏が、勝敗を分けた攻防を分析した。
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2・4%の奇跡を起こすなら、その存在となれるなら、もう大谷しかいない。可能性が低くても、逆境を何度もはねのけてきた男。「ゲーム・チェンジャー」と呼ばれ、劣勢でも試合の流れを一変させ、勝ちにつなげてきたことは何度もある。今回は1試合にとどまらない。「シリーズ・チェンジャー」として流れを激変させるには、大谷の1発や長打など驚異的なパフォーマンスが、起爆剤として必要な状況となった。
この日は第4打席、好投していた左腕ホールの初球を捉え、センターへクリーンヒットを放った。真ん中付近へ、甘く入ってきたボールに反応して初球から捉える打撃は、本来の姿に近い。長打とはならずも、打球速度113・5マイル(約183キロ)は6月21日以降では最速だった。試合前、ロバーツ監督は「前夜は遅くまで球場に残って、スイングの練習をしていた。他選手と一緒に、どうすればブルワーズに勝てるかを話し合っていた」と明かし、1日の様子を見ていて「強い決意を感じた」という。
2四死球を含め、大谷は4打席で3度出塁して奮闘したが、チームは3連敗となった。それでもロバーツ監督は「逆転は十分にあり得る。私は実際に経験しているからね」と前を向いた。くしくも0勝3敗から奇跡の逆転4連勝となった1度は、ロバーツ監督が所属していた04年のレッドソックス。「考え方はシンプル。まず、1勝する」と説き、「うちの選手たちも厳しい戦いを何度も経験してきている」と信頼を寄せた。
24年、パドレスとの地区シリーズ(3勝突破)でも1勝2敗と追い込まれた。大谷は当時、「後がないっていう感覚がない。2連勝すればいい」と力強く語り、その言葉は現実となった。今季のポストシーズンでは打球が上がらず、4安打が全てシングルヒット。厳しい状況かもしれないが、野球は何が起こるか分からない。想像を超える、奇跡と思われるパフォーマンスを何度も現実にしてきた不屈の男。最大の逆境を越えられるか。3連覇への命運は、大谷にかかっている。【斎藤庸裕】