<ブルージェイズ5-0マリナーズ>◇25日(日本時間26日)◇ロジャーズセンター

 【トロント(カナダ)=木崎英夫通信員】マリナーズ・イチロー外野手(35)が、昨季20勝のハラデーから左前打を放ち、首位打者を争うマウアー(ツインズ)との差を1厘詰めた。打率3割5分5厘と変わらなかったが、ライバルが無安打で3割7分へ下がり、わずかに縮めた。

 4試合連続安打も、身も心も痛めた試合だった。前日の試合後、オリックス時代の指揮官だった土井正三氏(享年67)の訃報(ふほう)を知った。「1度回復されたとも聞いていたので、そのことは良かったなと思っていたんですが。ただ、ちょっと覚悟していた感じはありました」と、静まり返るクラブハウスでしんみりと話した。メジャー移籍後も土井氏がずっと気にかけていたことは知人を通じて伝え聞いていた。当時は2軍行きを命じられ、才能を見抜けなかったとの批判やそりの合わない間柄と思われてきた。「そうじゃないのにねぇ…」と胸の内をのぞかせる一言で収めた。そして、こんな言葉を継いだ。「200本のこととかを知っていてくださったらうれしいですね。それは僕には分からないですけれど。ご冥福をお祈りします」。

 この日はハラデーのカットボールをスイングした際に、打球が右足すね内側を直撃。患部はボール状に腫れたが「大丈夫ですよ。まぁ骨ですからね。痛いけど(後から)腫れはないから。ほかに影響は出ないからいいですよ」と軽症を強調した。