米大リーグ・レンジャーズを自由契約となった藤川球児投手(34)が阪神と極秘接触したことが27日、分かった。交渉解禁となった25日に阪神高野栄一球団本部長が代理人に連絡し、現状調査を行った。藤川に近い関係者によれば、その後、この日までに本人と阪神側が直接会談したという。日本球界復帰ならば、愛着あるタテジマを最優先に考える藤川と、獲得へ向けて受け入れ態勢を整えている古巣が初めて極秘接触した。

 藤川はレンジャーズを戦力外になった後、日本時間25日に日米全球団と交渉できる自由契約となった。本人が米球界に区切りをつけることは確実で、選択肢は日本球界への復帰か、今季はプレーせず来年以降に方向性を定めるか、あるいは昨オフも考えていた現役引退かになる。関係者の話を総合すると、メジャー移籍後も阪神の状況を気にかけており、14年間を過ごしたタイガースへの思い入れは強いという。

 そんな中、古巣阪神は獲得を前向きに検討してきた。以前、坂井オーナーが「球団の宝」と発言していたほどで、本社と球団の間で、獲得予算の調整を行い、現場へのヒアリングも行い、受け入れ態勢を整えていた。

 ただ、シーズン途中ということもあって、戦力となるかどうかの判断、そして条件面など、越えなければならないハードルはある。高野球団本部長は、この日も藤川の獲得について問われると、「言える状況になれば言います」と語るにとどまった。

 今回の会談では双方の希望、現状を伝え合ったとみられる。藤川の今後へ向けて大きなターニングポイントとなりそうだ。