ロッテの自力優勝の可能性が、今季37試合目で早くも消滅した。

 チェンが5回に西武打線につかまり3失点。先発が先制を許すと打線が追いつけないという、いつもの負けパターンだった。攻撃でも、守備でも、細かいミスが重なった。連敗は今季最多の6に伸び、借金は18。オープン戦首位の面影はなく、長いトンネルに入ってしまった。

 伊東監督は、あえて明るく振る舞った。どんよりした空気を振り払うように「みんな、暗くなるな! 悲愴(ひそう)感を漂わせても、しょうがない。上を見て行くしかない」と、報道陣に笑みさえ見せた。1点差の惜敗だった。ただ、監督自ら鼓舞する裏には、借金18で自力優勝消滅という重い現実があった。

 負けっ放しの6試合は、1試合をのぞき先発が先制を許した。この日は5回。チェンが1死走者なしから4連打に味方の失策が絡んで3点を失った。打線は1点ずつ返したが、そこまで。7回無死一、二塁では清田がバント失敗で、続く平沢はボール球を振り三振。追い上げムードが一気にしぼんだ。「もうちょっとのところまでは行くようになったけど、それ以上はいけない」。監督の言葉が、現状を端的に示していた。

 選手内の雰囲気は、決して悪くないという。5連敗目だった14日の日本ハム戦。試合前の円陣で声出し係を務めた荻野の胸には、白いテープが「C」の字に貼られていた。同い年の清田がシャレで作った即席のキャプテンマークに、自然と笑いが起きた。こういう時こそ、暗くならずに-。気持ちは前を向いている。ただ、結果が伴わない。