ソフトバンク工藤公康監督(54)が、涙の2年ぶりV奪回だ。マジック1で迎えた西武22回戦(メットライフドーム)で圧勝し、球団はパ・リーグ18度目、1リーグ時代を含めると20度目のリーグ優勝を飾った。

 ソフトバンクはパ・リーグ優勝チームでは最少の4完投しかなく、先発投手の平均投球回が5・86回。サファテを中心としたリリーフ陣の頑張りでペナントを奪回した。51セーブのサファテは今季2敗も、黒星は同点で登板した試合。セーブ失敗は同点に追いつかれた8月5日西武戦の1度しかない。この試合もチームは延長で勝っており、セーブが付かない条件での登板を含め、サファテがリードした場面で登板した57試合は1度も負けていない。チーム最多の68試合に登板の岩崎は44HPで、こちらは中継ぎのタイトルがほぼ確実。サファテと岩崎がそろって登板した試合は46勝2敗だった。この2人に森、モイネロらを加えたリリーフ陣は合計23勝8敗。昨年はサファテが7敗、スアレスが6敗するなど、リリーフで21敗したが、今年は黒星を大幅に減らした。

 リリーフのおかげで接戦に強かった。1点差で25勝、2点差で19勝、3点差で16勝を挙げ、3点差以内の試合は60勝27敗となり、貯金を33つくった。3点差以内で勝った60試合のうちサファテは58試合、岩崎は45試合に登板し接戦の白星に貢献。3点差以内の勝率は昨年の5割7分3厘から6割9分へ上昇し、パ・リーグでは51年南海7割3分2厘、50年毎日の7割3分に次いで3位の高勝率になりそうだ。

 逆転負けも昨年の26度から12度に減った。パ・リーグでは78年阪急11度以来の少なさで、6回終了時にリードしていた試合に敗れたのは7月11日楽天戦(4-1→4-5)だけ。6回終了時点でリードしていれば74勝1敗だった。ソフトバンクは先取点を挙げた試合が71勝8敗、勝率8割9分9厘(昨年は60勝23敗4分け)。こちらもパ・リーグでは78年阪急9割2厘以来の高勝率となり、先制試合は7月27日楽天戦から26連勝中だ。リリーフがしっかりリードを守った結果、数々の驚異的な数字を残し2年ぶりの優勝を果たした。【伊藤友一】