ロッテ二木康太投手(23)がプロ初完封を達成した。8回までほぼ完璧な投球。楽天打線を1安打無失点に封じた。戻ったベンチで清水投手コーチから続投について聞かれると「正直バテバテで『お任せします』と言いました」という。

 握力が弱まり、フォークの落ちも悪くなっていた。同コーチから「行くやろ」とうながされてマウンドに。最後は今江を併殺に切って締めくくり「1-0で1人でしっかり投げきれたのがうれしい。プロになって1回は完封したかったので、できて良かった」。

 この日の最速は145キロ。だがほとんどの直球は140キロ前後だった。速さ自体は自己最短の1回2/3でKOされた4月22日の西武戦と変わらない。調子の悪かった4月と同様の球速で、なぜ楽天相手にプロ初完封を達成できたのか。

 清水コーチ 今年の前半は突っ立っている感じで、重心が高かった。(5月頭に抹消して)しっかり走り込んで、しっかり下半身が作れたことで腕も振れるようになったし、ボールにスピンが利いてきた。今日もスピードは出ていなかったけど、同じ140キロくらいの球でもすごく速く感じるんです。下(半身)があるからボールの持ちも良くなって、しかも手が長いから球が(打者の近くで)ピュッとくる。バッターとしては嫌なのかなと思います。

 三振を除く21個のアウトのうち、実に13個がフライアウト。直球の伸びが増し、打者がボールの下をたたいた証拠だ。ただ昨年マークした自己最速151キロにはまだ遠い。清水コーチは「やっぱり速さにはこだわってほしい。今、彼がやっているのはボールの強さだったり、伸びだったりするので、そこにスピードがついてくれば」とさらなる飛躍を期待した。【千葉修宏】