今秋ドラフト1位候補の日体大・松本航投手(4年=明石商)が、筑波大戦で11年の巨人菅野(東海大=37勝)以来9人目のリーグ通算30勝目を挙げた。0-0の5回から登板。3回を1安打無失点に抑え、節目の勝利を飾った。1部はこの日で全日程が終了。武蔵大に連勝した東海大が、日体大に連敗した筑波大を逆転し、2連覇を決めた。

0-0の5回、松本航がマウンドに上がった瞬間、雰囲気が変わった。テンポ良く、わずか8球で無失点に抑えると、その裏に打線が2点を先取。3回を1安打無失点の好リリーフで通算30勝目を飾った。勝利の瞬間、「わたるコール」を浴びた主将兼エースは「泣きそうになりました。みんなの気持ちを形で表そうと。うれしかったですし、30勝積み重ねられて良かった」と笑顔で話した。

抜群の投球センスと不断の努力で数字を積み上げた。最速は155キロで、スライダー、ツーシームなど変化球も自在。状態次第で投球フォームを微調整する修正能力の高さも備える。視察したヤクルト橿渕スカウトグループデスクは「安定感、完成度はトップクラス」と評価した。奪三振は巨人菅野の346に3個届かずも、「30勝&300奪三振」を記録。快挙を達成し、25日のドラフトを迎える。【久保賢吾】