メイウェザーに負けない強心臓を手に入れる。楽天小野郁投手(22)が22日、仙台市内の楽天生命パークで自主トレを行った。

力強く右腕を振った。ブルペンで中腰の捕手に約30球。直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ。クイックモーションも確かめながら、投げ込んだ。3日連続のブルペン入りで「秋からフォーム固めをしてきていて、順調です。直球の感じは良い。あとは変化球とかの感覚をつかみたい」と手応えを口にした。

大好きな格闘技にヒントを得た。新人時代は憧れの人に元K-1王者のバダ・ハリを挙げるなど大の格闘フリーク。昨年の大みそかは福岡・久留米市の実家でメイウェザー対那須川天心戦にかじりついた。圧倒的な試合内容に「相手の上からいっている。自分もそういう気持ちを持ちたい」とねじ伏せる強さに感銘を受けた。

勝負の5年目にKOを喫するわけにはいかない。昨季はイースタン・リーグでセーブ王(3勝3敗20セーブ、防御率1・86)を獲得。しかし、1軍では9試合で0勝1敗、防御率3・48。大舞台で本来の落ち着きを見せられず、力を発揮できなかった。今季は1軍キャンプから初の開幕1軍を目指し「今年は頑張らないと。結果を積み重ねて、勝利の方程式に入りたい。メイウェザーのようにどっしりいきたい」と負け知らずの精神で挑む。

自主トレでは体重を4キロ減らし、78キロまで絞った。戦う体作りは万全。150キロを超える直球を武器に「登録枠も1枠増えて、チャンスも増える。今年は上でしっかり投げたい」と2軍の帝王から一気に駆け上る。【島根純】