バットが、ない! ロッテのドラフト1位、藤原恭大外野手(18=大阪桐蔭)が4日、衝撃の事実を明かした。

石垣島キャンプ初のシート打撃で、甘い球を捉え切れなかった原因を問われた。「ただ単に、自分のバットで打ってないんで」。ドラフト4位、山口航輝外野手のバットを拝借していた。

実は藤原、自前のバットに3カ月前から打ちにくさを感じていた。キャンプインしたものの「シートやフリーで振りにくくて、打球も上がらなくて。変えないとやばいなって」。高校の先輩、中日平田モデルの新バットをミズノに発注したのは2月2日。「キャンプはずっと山口のを借りてます。ちょっとピンチです」。新バットは削りだしもこれからで、手元に来るのは2月末とも3月初旬とも。13日から始まる練習試合も間に合いそうにない。

しかし他人のバットながら、シート打撃では見事な対応力を見せた。3打数無安打も、第1打席は初スイングで関谷のチェンジアップを三遊間へ。第2打席は元侍ジャパンの守護神・西野のフォークにも空振りせず、10球粘って左飛とした。「目では全部捉えられたので自信になりました。いけるなと思った」と話し、井口監督も「目を見張るものがある。実戦で成長していく選手」とたたえた。

あとはバットさえ届いたら-。「まあ、(だから打てないというのは)言い訳ですけどね」。会心の初安打は、いつだろう。【鎌田良美】