中日が16年5月以来、1060日ぶりの「貯金2」だ。Aクラスに浮上して、巨人と並ぶ2位タイ。2点リードを先発山井からの継投で守った。7回からは剛速球を武器とする中日版「ロケットボーイズ」が初めてそろって登場。158キロ右腕のR・マルティネス、NPB左腕史上最速159キロのロドリゲス、そして抑えの157キロ右腕鈴木博とつないだ。剛球がうなる新勝利の方程式が頼もしい。

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竜党は1球ごとにグラウンド、ビジョンと交互に目をやった。スピード自慢3人が初めてそろった竜の必勝リレーがDeNA打線を封じ込んだ。

7回を3者凡退のR・マルティネスは初球から8球連続150キロ超え。中川大の打席で自己最速タイ158キロを出すと、拍手が起きた。「せっかくいい場面で使ってもらっている。みんなの期待に応えられるように投げたいんだ」。

8回のロドリゲスは少し制球を乱したが、最後は難敵ロペスを154キロで遊ゴロ併殺。この日の最速は156キロ。「スピードは意識しないけど、プロの打者との勝負だから全力で投げているよ」と胸を張った。

9回は鈴木博だ。打者3人に投げた5球すべて151キロ。1安打されたが伊藤光を遊ゴロ併殺にしとめて終了。単独トップに立つ5セーブ目だ。アマ時代に157キロ、プロで最速156キロの速球派は助っ人コンビのスピード共演に「力みやすくなるから、やめてほしいです」と苦笑い。

「僕は惑わされないように、自分のパフォーマンスをしたい。(6回途中の)谷元さんからいい投球をしていたので、自分も続けてしっかり投げたい思いがあった。リリーフがゼロに抑えることがチームが勝っていく上で重要になる」。

外国人枠の関係があり、ブルペンには実績がある田島、又吉らもいる。「ロケットボーイズ」が年間通じて固定化されることはなさそうだが、与田監督も救援陣の頑張りをたたえる。「彼らにはとにかく本塁にかえさなければいいと言ってきた。(ピンチでも)ジタバタしなくなったのはありますね」。2位タイに浮上したが、指揮官も動じない。「順位どうこうではなくて、首位を目指して1つでも勝ちを多くする。それだけです」といつも通りの姿勢だったが、接戦をものにできる中日が、昇竜モードに入ったことは間違いない。【柏原誠】