右手有鉤(ゆうこう)骨骨折で戦線離脱していた日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が、14日イースタン・リーグ、ロッテ戦(鎌ケ谷)で実戦復帰する。

まずは、指名打者で2打席に立つ予定だ。同学年のヤクルト村上や陸上男子短距離のサニブラウンといった同世代の活躍に刺激を受ける令和の主役候補に、栗山英樹監督(58)はフルスイングを取り戻すことを1軍復帰の条件とした。

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ついに、清宮が実戦復帰する。「再スタートですかね」。実戦出場は右手有鉤骨を骨折した3月3日のオープン戦DeNA戦(札幌ドーム)以来となる。手術から2カ月が経過した3日に再開した屋外フリー打撃では、快音を連発してきた。72日ぶりの打席を前に「楽しみです。日に日に(状態は)上がってきているかなと思います」と心待ちにした。

リハビリ中は同世代の活躍が心に刺さった。「すごい気になる」と話したのはヤクルト村上だ。同学年で同じ左のスラッガーは今季、開幕から1軍レギュラーとして活躍。全試合出場中で早くも初の2ケタとなる10本塁打をマークしている。「同い年で、僕たちの世代で引っ張っていきたい思いは強い。向こうはセ・リーグで、こっちはパ・リーグで引っ張っていきたい」と決意も新たにした。

海の向こうから伝わった、刺激的なニュースにも心を動かされた。陸上男子短距離のサニブラウンが11日に100メートルで9秒99をマーク。日本人2人目となる10秒切りの快挙に、大のスポーツ好きの清宮も「ビックリしました。『ついに、ここまできたな』と思いましたね」と喜んだ。1学年上の同世代アスリートの躍進も、完全復活へのモチベーションをさらに高めることになりそうだ。

まずは指名打者で2打席立つ予定。守備での実戦復帰はもう少し時間がかかりそうだが、患部の状態を見ながら打席数は徐々に増やしていく。栗山監督は1軍復帰の条件として「バットをしっかり振れるのが大原則」とした。今のプロ野球は村上のように、しっかりフルスイングできる打者が成績を残しているだけに「結果が出る状態になるのを待っている」とメッセージを送った。清宮も「早く上がりたい。ずっとテレビで見ていますし、早く、あの輪に加わりたい」と切望する。戻るべき舞台へ向けて、スパートが始まる。【木下大輔】