右肩炎症で戦列を離れている中日松坂大輔投手(38)が19日、ナゴヤ球場で故障後初の打撃投手に臨んだ。

武山、杉山を相手に35球。カーブ、スライダー、カットボールも交え、ワインドアップから初めて18番のユニホームに袖を通し、打者に投げ込んだ。球種を伝えてからの投球で、ヒット性の当たりもあったが、今季初めて実戦形式マウンドでの登板になった。

登板後の松坂は報道陣に囲まれ、打撃投手登板を振り返った。「ブルペンでは打者が立って投げることはなかった。(今日は)打者に立ってもらい、距離感を何とかつかめたらと思ってた。いい練習になった」。今後の実戦復帰については、「日にちがたって、問題がなければ、また打者に対して投げさせてもらいたい」と、話した。

打撃投手を務める松坂を見守った門倉2軍投手コーチも、打者に初めて向かい合ったベテランに高評価。「指にかかった球もかなりあった。彼がグラウンドの真ん中のマウンドから投げられたのはチームにとっていいニュースだ」と話した。これからの松坂の調整に関しては、「ブルペンで球数が増えるようにしないと。全力で何球投げられるようになるか。実戦経験が豊富な投手でも、2軍でしっかり投げてからになります」と続けた。今後はブルペンでの投球練習と打撃投手、シート打撃での登板を並行させ、2軍の試合で登板を重ねていく。順調に進めば、6月中にウエスタン・リーグでの実戦復帰登板になりそうだ。

松坂は春季キャンプ序盤にファンと接触したことで右肩の炎症を発症。キャンプを離脱して、リハビリを続けてきた。3月2日にネットスローを開始し、同8日にキャッチボールを再開。4月9日に初めて屋外キャッチボールを行った。5月14日に故障後初めてナゴヤ球場のブルペンで捕手を座らせて投球練習。変化球を交えて50球立ち投げし、捕手を座らせて22球を投げた。