中日藤嶋健人投手(21)が20日、名古屋市中川区の合宿所「昇竜館」で、巨人上原の現役引退への思いを語った。

「今日の朝新聞を見て(引退を)知りました」。早朝に衝撃を受けたことを明かした。

上原との接点は、少年時代に野茂ジャパンの一員に選ばれ、米国でともに記念撮影したときにさかのぼる。メジャーで活躍する上原に憧れ、投球フォームも参考。昨季、松坂が先発回避した緊急先発で初勝利した。その後、ナゴヤドームで上原と対面し、弟子入りを志願。球の握りを教えてもらうなど、連絡を取り合ってきた。この日も、携帯電話から上原にメッセージを送ろうとしていると、直接上原からメッセージが届いた。

「1軍で会うことを楽しみしていたけど、引退することになった。藤嶋のことは気にしているから、がんばれよ」。

今春のキャンプ直前に右手の血行障害になり手術。大先輩が引退発表当日に届いたエールに感激した。「僕みたいな下っ端に連絡くれて。本当にすごい人だな。上原さんに僕は夢をもらった。僕も上原さんみたいになりたい」。血行障害を克服し、現在は本格的にブルペンでの投球練習を再開している右腕。実戦復帰へ向け、先輩の引退が活力を与えてくれた。