ロッテの4年目横手投げ右腕・東條大樹投手(27)がプロ初勝利を挙げた。

1点を追う7回に3番手で登板し、2番牧原、3番グラシアル、4番デスパイネを無安打。2三振を奪い、逆転の流れを作った。今季は追いかける場面での登板や大量リードの場面での登板が多い中、10試合連続無失点と安定感を見せ、投手陣を支えている。

わずか11球で3者凡退に切ってとった。東條は外角のスライダーにソフトバンク4番デスパイネのバットが空を切るのを確認すると軽くジャンプした。「右を抑えるのが自分の役割だと思うので、そこを抑えられたのは良かったと思います。やっと1勝できたというのは、素直にうれしいです」と喜びをかみしめた。

22日のオリックス戦でもピンチを救った。1点リードの6回2死三塁、打者ロメロの場面でマウンドへ。外角ぎりぎりを攻め、カウント3-2からスライダーで三振を奪った。「(四球でもいいという意識はなく)ロメロで抑えようと思っていました」。1発が出れば逆転という場面で気迫の投球を見せ、今季初ホールドを記録した。

侍ジャパン投手コーチの建山義紀氏から、同じ右のサイドスローとしての心構えを聞いた。4月13日の日本ハム戦前に吉井投手コーチに連れられて、解説に来ていた同氏の元へ。「右の場面で使われることが多いと思うけど、左は単打ならばOKとか思えばいい」と精神的なアドバイスをもらうとともに、投げる時に右腕が体から離れる癖について「もっと近くに持っていくことで安定感が増す」と助言を受けた。

中学時代から横手投げを続ける東條にとって「とても参考になる。すごいバランスがいいと感じていて、そこをまねしたいと思っていて」と憧れの存在だった。

授かった金言も生かし、安定感を見せる右腕は「自分の中で、いい体の使い方ができている。特に下半身の使い方。下半身のパワーをうまく上半身に伝えられてる感じです」。以前はなかった自信も「前よりはついたと思います」。無失点を積み上げる。【久永壮真】