日本ハムがオリックス10回戦(京セラドーム大阪)で、敗戦濃厚の展開から勝ちに等しい引き分けに持ち込んだ。3点を追う9回に大田泰示外野手(28)が起死回生の9号同点3ラン。延長12回2死一、二塁のピンチでは、西川遥輝外野手(27)が背走しながら好捕するビッグプレーでサヨナラ負けを阻止した。劣勢をはね返して負けなかったチームは、5月20日以来の3位タイに浮上した。

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全員の諦めない気持ちが、結果として結実した。栗山監督は「みんな、よく頑張った。誰が、ではない。いろんなミスもあるけど、みんなが何とかしようと思って、よく頑張った」。新人・生田目を先発に立てた試合。何度も劣勢の展開になったが、はね返し続けた選手たちをねぎらった。

連勝がストップする目前で、踏みとどまった。3点を追う9回無死一、二塁。打席の大田は「しっかり振ることを考えただけ」。オリックス守護神の増井から、中堅へ同点3ランを放った。14試合65打席ぶりの“土壇場弾”に、ベンチは沸いた。

最後のピンチには、中堅西川にビッグプレーが飛び出した。延長12回2死一、二塁の守備。二塁走者の生還を阻止するため、超前進守備を敷いた西川の頭上を山足の打球が襲った。瞬間的に落下点を予測し、一目散に背走。グラブに収めた。「飛んできた球を捕っただけ」とクールに振り返った西川だが、「ベンチの中もそういう雰囲気だし、(15連勝した)16年のメンバーもけっこういる」と、球団記録をつくった3年前をほうふつとさせる上昇気流に乗ってきた。

大田も西川も、声をそろえて言ったのは「負けなかったことが大きい。勝ちに等しい試合。明日へ向けて、いい準備をしたい」。首位楽天とは1・5ゲーム差に開いたが、西武と並んで3位タイに浮上した。2日は交流戦前の最後の試合。継続できた連勝街道を6に伸ばし、勢い十分でセ・リーグとの戦いに突入する。【木下大輔】