“和製ベーブ・ルース”が、本家ばりに子どもたちにビッグアーチを約束した。日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が17日、プロ入り後、初めて札幌市内の小学校を訪問した。約770人の子どもたちとキャッチボールなどで交流を深め、エネルギーを注入。体の状態を考えると出場機会は限られそうだが、18日DeNA戦(横浜)へ向け「明日は、みんなのために打って勝ちたいと思います!」と力強く誓った。

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サプライズに、胸を熱くした。札幌市立手稲山口小学校を訪れた清宮は、約770人の子どもたちから送られた迫力満点のエールに「一生、思い出に残ります。期待に応えなきゃとパワーをもらった」と大感激。「鳥肌が立ちました。めっちゃ、すごかった。みんな、ありがとう!」と、精いっぱいの感謝を伝えた。

東京北砂リトル時代、中1で世界一に輝いた。打って、投げての大活躍に、当時の米メディアからは“和製ベーブ・ルース”と呼ばれた。「本塁打を打つと、自分だけじゃなくて、いろいろな人が喜んでくれる。それが、うれしくて。みんながハッピーになる瞬間」。本塁打への熱い思いを語った20歳は「明日は、みんなのために打って、勝ちたいと思います!」。病気の少年に本塁打を約束し、実際に放ったというエピソードが残る本家のように、18日DeNA戦でのアーチを高らかに宣言した。

約1時間の交流を通し、子どもたちに伝えたかったことがある。「夢を追いかける大切さを感じ取って」。小1の時に、早実高の文化祭へ行ったことを思い出した。「斎藤さんは保護されていたので会えなかったんですけど」と残念そうだが、06年夏に全国制覇したメンバーに一目会いたくて足を運んだ。幼い頃のときめきは「将来はメジャーリーグに行きたい。近い将来は日本一になりたい」という現在の夢につながっている。

16日巨人戦(札幌ドーム)に、4試合ぶりに代打で出場した。疲労などによるコンディショニング不良で、18日からのDeNA3連戦も出場機会は限られそうだが、セの本拠地となるため代打の機会も増える。「準備は出来ています」。子どもたちの応援を力に、夢いっぱいのビッグアーチを狙う。【中島宙恵】