広島の17年ドラフト1位、中村奨成捕手(20)が18日、今季初実戦となったウエスタン・リーグ阪神戦(鳴尾浜)で頭部に死球を受け、途中交代した。

「8番捕手」で先発。8回の第4打席で阪神2番手斎藤の148キロ直球を左前側頭部に受けた。倒れた後すぐに立ち上がろうとしたが、捕手らに制止され、担架に体を固定されて運び出された。

室内で処置を受けた後、救急車に自力で歩いて乗り込み、病院に向かった。

鳴り物入りで入団したドラ1位捕手に、いばらの道が続く。今春キャンプ序盤に右第1肋骨(ろっこつ)の疲労骨折が発覚。3軍でのリハビリが続いた。けがが癒えても首脳陣にアピールできず、出場機会に恵まれなかった。この日は、捕手船越に何らかのアクシデントが発生したこともあり、巡ってきたチャンス。死球までの3打席は無安打ながら、先発メナを7回無失点と好リードしていただけに、不運ぶりが際立った。

水本2軍監督は「動きも良かったし残念だけど、投手もわざとではない。軽傷を祈るしかない。いい方向に向かって、早く復帰できるように頑張ってほしい」と話した。実戦復帰は、脳振とうプログラムの手順に沿い、状態をチェックした上で判断される可能性が高い。

1軍の捕手4人のうち、交流戦で安打のない坂倉が2軍に回る。代わってこの日本塁打を放った松山が最昇格する見込みだ。