今季限りで現役引退を表明している日本ハム田中賢介内野手(38)が27日、北海道庁で鈴木直道北海道知事(38)を表敬訪問した。

28日ソフトバンク戦(札幌ドーム)から始まる「北海道シリーズ2019 HOKKAIDO be AMBITIOUS」で着用する限定ユニホームを贈呈。道民の不屈のエネルギーを表現した“赤”を身にまとって再開するリーグ戦で「このユニホームをきっかけに浮上できるように」と逆襲を宣言した。4位からの逆転優勝、日本一へと向かう。

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不屈の赤が前面に出た限定ユニホームで、逆襲のエンディングロードを歩み出す。田中賢はスーツ姿で、やや緊張しながら北海道庁を訪問。

対面したのは4月に就任した鈴木知事だ。まずは、所信表明とばかりに田中賢があいさつした。

田中賢 チームは今、4位なんですけど、まあまあの位置につけています。ただ、追いかける方が楽です。これから全員で戦っていきたいと思います。僕自身も現役生活は3カ月ほどになります。何とか、力になれるようにやっていきたいと思います。

28日ソフトバンク戦から札幌ドーム9試合で着用する、北海道旗をモチーフに赤が基調となった限定ユニホームを贈呈。笑顔で受け取った鈴木知事は、田中賢と同じ81年生まれで38歳。チーム、そして現役ラストイヤーもあと半分となった田中賢への全面支援を約束した。

鈴木知事 我々も明日(28日)と北海道みんなの日(7月17日)に、みんなでこれを着て、リーグ優勝と日本一を目指すチームをしっかり応援します。そして、田中賢介選手の花道をしっかり飾っていただけるよう、我々も全力で応援させていただきます。

田中賢も笑顔で頭を下げ、がっちりと握手。残り71試合となったペナントレース再開へ向けて、現職では全国で最年少知事からのパワーを受け取った。

チームは現状4位だが、首位ソフトバンクとは3ゲーム差。28日からの3連戦3連勝で追いつける差で、3年ぶりの覇権奪回も射程圏内だ。特別なユニホームで臨むカードに「本当に北海道を背負ってプレーできると思えるし、気持ちも引き締まる。このユニホームをきっかけに浮上できるように、チームも頑張っていきたい」。経験豊富なベテランは、逃げる大変さ、追うものの強みを知っている。Bクラスからの逆転劇へ、ユニホームを脱ぐ日まで悔いなく、全ての力を出し切る。【木下大輔】