ラッキー7のバースデー勝利だ。ロッテ土肥星也投手が24歳の誕生日を迎えた7日、西武戦で今季初白星を挙げた。悪天候のぬかるむマウンドで、5回を5安打1失点に抑えた。試合後には、キャンプ前の1月末に結婚していたことも公表。ダブルでめでたい、七夕になった。

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土肥が雨空に負けない粘りを見せた。5回2死満塁。足元の土はゆるい。西武山川への押し出し四球で先取点を献上した。だが、踏みとどまる。「ちょっと抜けちゃったんですけど。1点で抑えられたのはよかった」。森に、内角低めへのチェンジアップで空を切らせた。

登板3試合目の今季初勝利は、くしくも誕生日だった。胃腸炎で登録抹消の種市に代わり、急きょ巡ってきたバースデー登板。スタンドのファンにバースデーソングをおねだりし「帰って、気持ちいいお酒が飲めますね」と喜んだ。家には、待っている人がいる。

キャンプ前の1月27日に、結婚していた。福島県出身の、同い年の一般女性。昨年から同居し「朝早く起きてご飯をつくってくれる。手料理はコロッケが好き」とほおをゆるませる。挙式は未定だが、帰宅して「疲れたー!ご飯つくって、って言いたいです」とのろけた。試合後は、結婚発表定番の似顔絵にもチャレンジ。…したが、絵心のなさに「これじゃ怒られる」と、掲載NGの判断を下した。

「星也」。七夕に生まれたことから、両親が名付けてくれた。ササの葉に結ぶ短冊には「大谷翔平になりたい」と願い事を書いて笑わせた。ZOZOマリンでヒーローになるのは初めてだ。隣には背番号「7」の鈴木。もう1人の「セイヤ」である井上がダメ押し3ランを放ったのは7回だった。「ぼく平成7年生まれなんで『7』は良い数字なのかもしれません」。

24度目の7月7日。お立ち台の景色は「3年間、立ったことがなかった。最高です!」。見上げても織り姫もひこ星も見えない。でも確かな「星」がそこで光っていた。【鎌田良美】

 

◆土肥星也(どひ・せいや)1995年(平7)7月7日、大阪府大東市生まれ。尽誠学園-大阪ガスを経て、16年ドラフト4位でロッテ入団。17年5月10日楽天戦で初登板。18年8月16日日本ハム戦でプロ初勝利。今季推定年俸1180万円。186センチ、82キロ。左投げ左打ち。