衝撃の“燕のゴジラ”パワーだ! ヤクルト野手で球宴最年少選出となった村上宗隆内野手(19)が、あいさつ代わりの看板直撃弾を放った。ホームラン競争準々決勝でオリックス吉田正と対戦。敗れたが、4本塁打をマークした。

白木のバットがしなって、打球は一直線に飛んだ。ヤクルトの星野ブルペン捕手が投手役を務めた9スイング目。右翼席後方の「旭化成 ヘーベルハウス」の看板に直撃する1発を放ち、スタンドを沸かせた。過去の公式戦ではDeNA筒香、巨人小笠原、高橋らが直撃弾を放っており、偉大な左打ちの大砲に肩を並べた。

練習のフリー打撃では最初の9球をミスショット。それでも3度目のケージ入りで全5球をスタンドに運んで、いつもの調子を取り戻していたが「緊張して、バッティングフォームが分からない。侍ジャパンの時と同じくらい緊張しています」と19歳らしく顔を引きつらせた。

その侍ジャパンは、吉田正と出会った場。3月に初招集され、ヤクルト宮本ヘッドコーチの計らいで言葉を交わした。守備面で悩んでいたが、プロ2年目へ「自分の持ち味をしっかり出して、思いきりやればいい。チームのために効果的な打点を挙げる。得点圏で打てる打者になる」とアドバイスをもらった。経験談を元にした心構えは、しっかり生きている。

チームで唯一全試合に出場し、63打点は堂々のセ・リーグトップタイ。熊本から駆けつけた両親の前で、成長した姿を見せた。