竜の勢いが止まらない。09年7月15日阪神戦から同28日巨人戦で記録した9連勝以来となる8連勝。DeNAと並び2位に浮上した。10年ぶりの連勝劇を導いたのはヒゲのカリビアンのバットだ。アルモンテがこの日の全打席でヒットをマーク。来日3度目の1試合4安打で存在感を見せつけた。

1-1の同点で迎えた5回1死一、二塁。カウント2-1から今永の直球を捉えると、打球は力強く中堅手の頭上を越えた。「球が伸びてくれた。芯で捉えられたのが良かった」。勝ち越し適時二塁打を自画自賛し、笑顔を振りまいた。

来日1年目の昨季はビシエドとともに主軸を務めた。132試合、15本塁打、77打点、打率3割2分1厘と堂々の成績を残した。しかし、今年は開幕から不調。4月末には外国人枠の問題もあり2軍落ち。それでも不満を持つことはない。「自分だけじゃない。チーム全体が明るくまとまっている。全員が初回から集中している。1つ1つ勝って、プレーオフ(CS)に行けるように頑張りたい」。ファームで過ごした2カ月間をこぼすことなく、10月の決戦へ目を向けた。

投打がかみ合った8連勝に与田監督の目尻も下がった。「投手陣も1点を取られたらダメとせっぱ詰まっていない。打線の状態がいい」。10年ぶりの8連勝と問われると、さらに目が細くなる。「そうなの? うれしい話をたくさん聞けるようにがんばります」。09年の中日は、2度の8連勝以上をマークして最終順位は2位だった。指揮官だけでなく竜党も、うれしい結末に期待を寄せている。【伊東大介】