日本ハムにとって、今後を占う大事な9番勝負が始まる。26日からは西武、楽天、ソフトバンクとの計9試合に臨む。3カード全て、現状で貯金を有する相手との戦いだ。

25日、神戸空港で取材に応じた栗山英樹監督(58)は「目いっぱいいくしかない。ブルペン、野手も全員いく」と力を込めた。3連勝で逆転優勝への望みをつないだ15日からのソフトバンク3連戦に続く、後半戦“第2のヤマ場”とにらみ、総力戦を宣言した。

今季のパ・リーグは開幕から稀に見る大混戦が繰り広げられてきた。栗山監督も「16年と形は違う」と話すように、日本一に輝いたシーズンとはペナントレースの様相が全く違う。3年前は独走していたソフトバンクを唯一、猛追したのが日本ハム。追いかける立場は変わらないが、注力する相手は1球団だけ。当時は上だけを見て戦えたが、今季は、どの球団も頂点を見据えながら、しのぎを削る。首位ソフトバンクを「直接たたければいいけど、前に(西武や楽天などに)負けていたら意味がない」のが今季の覇権争いだ。

優勝だけを目指す栗山監督は、例年8月下旬から使い出すフレーズを早くも“解禁”した。「ここからは中心となる選手が決められるかが勝負」。その中心の1人、中田は23日オリックス戦を右ふくらはぎ痛で欠場。状態が心配されたが、中田本人は「大丈夫と思う」と26日西武戦(メットライフドーム)の出場へ意欲を見せた。指揮官も「明日はいけると思う」とスタメン復帰を示唆。チームの総力を結集して、勝負どころを乗り切る。【木下大輔】