日本製紙石巻(宮城)がJR盛岡(岩手)を下し、2年ぶり3度目の本大会(10月21日開幕、京セラドーム大阪)出場に向けて好スタートを切った。社会人6年目のベテラン左腕・塚本峻大(27=東北学院大)が8奪三振、2安打完封。打っては6番・小野悠介内野手(28=東日本国際大)が先制2ランを放つなど、今夏の都市対抗野球に補強選手として出場した2人が、チームを全国出場へ導く覚悟だ。

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今夏、都市対抗野球出場を逃した日本製紙石巻が雪辱のスタートを切った。投手陣最年長の塚本が発奮。3点リードの9回裏は2者連続三振から最終打者を遊ゴロに仕留め、[久しぶりに9回を投げ切れた。最後はバテたけれど三振も取れて良かった」と満足げに振り返った。前田直樹監督(40)は「緩急をつけたメリハリのある投球で明日以降につながる」と評価した。

今季、チームは都市対抗野球・第2次予選東北大会の第2、第3代表決定戦で連敗。全国切符を逃したが、塚本ら大量8選手が東北代表3チームの補強選手として東京ドームを経験した。きらやか銀行(山形)に補強された塚本はパナソニック戦の6回途中から登板。残り2回1/3をを無安打に抑え存在感を示している。

攻撃では2回表1死一塁、小野が右翼越えに先制2ランを放ち、塚本を援護した。都市対抗野球ではJR東日本東北(宮城)へ、自身初となる補強選手として2試合に出場。無安打に終わったが、「JRがなぜ強いか分かった。お互いのチームの良さを生かしたい」と、貴重な「おみやげ」をチームに持ち帰った。

今日23日の準決勝は、大会4連覇を狙う、そのJR東日本東北と対戦する。直近の春の県大会決勝は1-2で惜敗した。塚本と小野は「今度は自分のチームで行きたい」と、17年日本選手権以来4季ぶりの全国手形を手に入れるつもりだ。

【佐々木雄高】