慣れ親しんだ音を、景色を、匂いを胸に刻んだ。今季限りで現役引退するヤクルト館山昌平投手(38)と畠山和洋内野手(37)が、引退試合に出場した。

先発した館山は、中日大島と1人限定対決。144キロの外角低めシュートで二ゴロに打ち取った。マウンドまで来た小川監督と握手し帽子をとって球場全体へあいさつ。「家族と仲間に支えられ、今日引退します。幸せです」と涙を浮かべた。26日には、自費で10度目となる手術を受ける予定で「真剣勝負で、打ち取れたと思っている。明日からウオーミングアップをしないのが寂しい」と笑った。

15年の打点王畠山は6回、小川監督の計らいで4番バレンティンの代打で出場。中日柳の142キロ直球を打ち上げたが、右前にポトリ。937安打目とした。「今までで一番冷静に打席に入れた。(4番は)すごいうれしかった。明日からの人生の方が長いので、成功できるように切り替える」と前を向いた。チームを支え続けた2人は、大きな拍手に包まれながら神宮を後にした。