大商大がリーグ新記録の21連勝を樹立した。エース大西広樹投手(4年=大商大高)が9回を0点に抑えると、その裏に工(たくみ)遼汰内野手(4年=広陵)が右越えにサヨナラ二塁打を放って勝負を決めた。

富山陽一監督は「当然うれしいです。彼らの先輩たちから続いているのでね。今日の試合は今日の試合、明日は明日という気持ちでずっとやってきた。それが連勝になったのでは。優勝したいという気持ちが連勝につながっただけです」と選手たちをたたえた。

ちょうど1年前の昨年9月22日から始まった連勝街道。強さを象徴するように、節目の試合は最少得点で勝ちきった。大西と、前節で無安打無得点試合を達成した橋本侑樹投手(4年=大垣日大)の2枚看板が安定。下級生も順調に育って、投手陣は盤石。野手も飛び抜けたスターがいなくても、内外野の堅い守り、スキのない走塁は負けない要因だ。

試合前夜は必ず、グラウンド脇の「掘っ立て小屋」で投手以外のメンバーが泊まる。空調もなく、2段ベッドを並べただけでの簡素な作りだが、ミーティング時間が多く、一体化も高まる。

大西は「今日は絶対に落とせなかった。チームの記録があり、任せていただいたので。監督さんには何度も『おまえで決めろ』と言われてきた。集中して、粘れたと思う」と笑みを浮かべた。殊勲打の工は「監督さんの名前を連盟記録に残そうと言って、やってきた。最後の打席はその気持ちが入った」と喜んだ。