20年間のプロ野球人生を最高の形で終える。今季限りで現役を引退する田中賢介内野手(38)が、27日のオリックス戦(札幌ドーム)で現役最後の試合を迎える。26日の同戦は2番・指名打者で4打数無安打に終わったが、ラストゲームも先発起用が濃厚。残り3本に迫った日本通算1500安打を、地元ファンの前で達成すべくグラウンドへ向かう。

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最後の1試合にすべてをかける。田中賢のバットからこの日、安打は出なかった。日本での通算1500安打を目前としながらも中飛、遊ゴロと2打席凡退。4点リードで迎えた4回2死満塁の絶好機にも、2番手吉田一の前に左飛に倒れるなど4打数無安打に終わった。「打てなかったですけどね、残念ですけどこれも野球なので仕方ないですね」と前を向いた。

本拠地で残り2試合として迎えた試合。1学年上の実松2軍育成コーチ兼捕手が、一足先にグラウンドへ別れを告げた。北海道へ本拠地移転前の東京時代から、千葉・鎌ケ谷でともに汗を流したこともある間柄。「本当に昔からやってきた仲のいい先輩で、2人でこんなに長くやれると思っていなかった。(2人)続けて辞められるのは運命的なものを感じますし、よかったなと思う」。この試合で勝利した瞬間のベンチでは隣同士となり、「お互いよくやりましたね」と、声を掛け合い喜びを分かち合った。

チームは杉浦が7回途中まで1人の走者も出さないパーフェクト投球、さらに大田が4番打者としてプロ初の20号本塁打を放つなど快勝した。杉浦が「明日は賢介さんの引退試合ということでみんなで良い形で送り出せるように」と言えば、栗山監督は「賢介のことなので明日打って(1500安打を)決めてくれると思う。いい思いで最後送り出したい」と背中を押す。田中賢は「最後まであきらめないでやりたいなと思う」。ファンの前で有終の美を飾り、バットを置く。【山崎純一】