パ・リーグ2位のソフトバンクが2年連続下克上突破だ。今宮健太内野手(28)がCS史上初の1試合3本塁打と大暴れ。6打点の活躍でリーグ王者西武を下してのCSファイナルステージ突破に導き、MVPに輝いた。

3本の放物線が、2年連続の下克上突破への決め手となった。「(明豊)高校3年生以来」という3本は、まずは3回に先制ソロ。1点差に迫られた6回に突き放す2ランを放つと、9回にはトドメの2ラン。「今日、突破を決めたいと思っていた。(打撃には)自分でもビックリしています」。ファイナル制覇への気持ちをバットに乗せた。

ファーストステージは10打数1安打。9日のファイナル第1戦前に早出特打を行った。「どのスイングが振りやすいかと探りながらだった」。その日によって変わる不安定な状態。第2戦までは白色の830グラムの軽いバットを使っていたが「ヘッドが利いた、いつもの方がいい」と、第3戦から黒色の860~870グラムのバットに。狙い通りヘッドを使い、アーチを描いた。「CS前は最悪だった。日に日にスイングがよくなった」。ファイナル4試合は19打数10安打、3本塁打、7打点をマークした。

日本一を決する相手は巨人だ。00年以来の日本シリーズの顔合わせ。工藤監督は「パの代表として日本一を目指したい」。MVPに輝いた今宮も「めちゃめちゃ強いと思う。日本一目指して頑張っていきたい」。3年連続日本一しか見えていない。【石橋隆雄】