京大が同大に連勝し、今季2つ目の勝ち点を手にした。今リーグ5勝目、年間7勝目はともに大学の新記録になった(82年の関西学生野球連盟発足以降)。また、00年秋以来の最下位脱出が確定。他大学の結果次第では初の4位の可能性も残した。シーズン最終戦で歴史を塗り替えた。

驚きの4連勝フィニッシュ。勢いを象徴するような劇的な試合だった。0-1の8回に主将の西拓樹内野手(4年=西京)が右越えに起死回生の逆転2ラン。同点とされたが、延長10回に岩城孝典内野手(2年=嵯峨野)のサヨナラ押し出し死球で、歓喜の瞬間を迎えた。ナインはもちろん、応援席のOBやチアリーダーの目にも涙が光った。

青木孝守監督(65)は「勝ち点1もうれしかったけど、まさか2つ目を取れるとは。押されているゲームでも耐えて耐えて…。接戦を春からたくさんやってきた。粘って、流れを変えて『勝てる』という感覚を選手たちが持てるようになった」とめざましい成長ぶりに感無量の様子だ。

最後は藤原風太投手(4年=東海大仰星)が意地を見せた。7回1失点と踏ん張り、8回から仲村友介投手(4年=西京)につないだ。今季3勝の原健登投手(3年=彦根東)をはじめ充実の投手陣が、私立の強豪をまた封じ込めた。

この夏は練習試合などで28連敗(2分けはさむ)してリーグ戦に入り、さらに5連敗。ただ負けを重ねたわけではない。意図的に例年の倍近く強化試合を組んでいた。負けると分かっていながら、強豪大学や強豪クラブチームの胸も借りたのは、パワーのある相手に戦い慣れるためだ。リーグ戦で結果は出た。

流れを呼び込む劇弾の西主将はしみじみと語った。「自分でもびっくり。あんまり引退試合だと意識しないようにした。悔いが残らないようにと、それだけだった。最高の形で終われたので、潔く野球人生に区切りをつけられます。僕らが威張れるものじゃないけど、勝ち点の取り方は分かったと思う。勝ち点2がかすむくらい、京大が強くなっていってほしい」と、後輩たちにさらなる快挙を託した。