「パ・リーグ・キラー」がリベンジに燃える。巨人桜井俊貴投手(25)が14日、みやざきフェニックス・リーグの阪神戦に先発し、5回を無四死球で5安打2失点(自責1)。5者連続三振を含む7奪三振で、ソフトバンクとの日本シリーズ第3戦以降の先発枠入りへアピールした。自身CS初登板の11日阪神戦では1回0/3を5四死球3失点と乱調。原監督からの助言も生かし、中2日で修正に成功した。

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鬼気迫る表情で、ふわっと浮かせた。1点を追う3回2死三塁。桜井は阪神中谷を直球で追い込み、最後は112キロのカーブを本塁付近に沈ませ空振り三振。「真っすぐの腕の振りがよかったので、変化球もよかったです」。7奪三振中4個の決め球がカーブ。緩急で打者の腰を砕かせた。

宝刀でパ・リーグの強打者をなぎ倒してきた。6月6日楽天戦から先発に転向。カーブで3三振を奪うなど7回途中1失点で白星を挙げると交流戦は3戦2勝、防御率1・83。対セ・リーグ防御率4・87と比べて相性の良さがくっきり。日本シリーズを戦うソフトバンクとは未対戦だが「カーブと真っすぐでどれだけ押せるかが、パ・リーグと対戦する上で大事」と好投への指針は見えている。

苦い記憶も糧にする。短期決戦初登板となった11日阪神とのCSファイナル第3戦。5四死球と荒れた。試合後、原監督から助言を授かり、投球前に三塁側へクロス気味の左足を、フラット、または一塁側へ引き気味に変更。やや開くことで打者方向への視界を広げ、制球力の向上を狙った。

台風19号の影響で東京ドームでの非公開練習となった12日。登板翌日もお構いなしにブルペンに入り、フォーム修正を重ねた。効果はてきめん。この日は無四死球で3ボールも1度だけだった。「監督からアドバイスをいただけたので、いい感じにできました」と感謝。先発枠入りへ一発回答でアピールした。

日本シリーズ進出の瞬間は宮崎移動中の飛行機内のWi-Fiを使い、スマートフォンの速報アプリを使って見届けた。「日本一が残っているので、その時にはみんなと一緒にいられたらいいなと思います」。こみ上げる悔しさは大舞台のマウンドで晴らす。【桑原幹久】

◆巨人の日本シリーズ先発投手陣 宮本投手総合コーチは日本シリーズの先発を4枠、もしくは5枠とする考えを示している。初戦の山口、2戦目のメルセデスに続き、高橋、桜井を軸に腰痛から復帰を目指す菅野、高卒新人右腕の戸郷らが3戦目以降の候補となる。菅野はこの日フェニックスリーグ組に合流。9月15日阪神戦以来1カ月ぶりの実戦登板となる15日韓国・斗山戦(サンマリン宮崎)へ最終調整した。