19日に慶大戦を控える明大・森下暢仁投手(4年=大分商)は16日、体調を崩し取材対応を中止した。微熱があり、リーグ戦への支障、ドラフト会議後の会見への影響を考え、外部との接触を制限した。

高卒プロ入りも可能だった森下が、なぜ明大を選んだのか。シーズン中に答えたことがある。

森下 当時はまだ自分に自信が持てませんでした。プロは厳しい世界と聞いていたので、入団して結果が出なければ、それで終わってしまう。今思えば、その現実に向き合う覚悟が、まだ高卒の時はなかったんだと思います。

岐路に立ち揺れた18歳の森下は、善波達也監督の人柄に接し明大進学を決意する。迷う森下を善波監督は根気強く、熱く誘った。「何度も足を運んでいただく監督の誠実な人柄を見て、明治で4年間を過ごそうと決意しました」。

打って、守って、走れる。それが森下の投手としての理想像。「投げるだけというのは好きじゃない」。打席に立つ6大学は、チームの勝利に貢献する投手森下の潜在能力を高めた。

高2まで遊撃手として運動センスのままに楽しんだ素材は、今はどう抑えれば試合の流れを引き込めるかを考える投手に成長した。4年の歳月を経た森下の言葉はストレートだ。「迷いはありません。12球団どこでも行きます。勝ち越す投手になりたい」。【井上真】