ソフトバンクが17日に都内で行われる「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」を前に16日、都内でスカウト会議を開き、大船渡・佐々木朗希投手(3年)の1位指名で一本化した模様だ。今季途中に加入した全米ドラフト1巡目右腕のカーター・スチュワート投手(19)に続き、日米の怪物ダブル獲得を狙う。

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「世界一」という壮大なテーマの実現へ、ソフトバンクが日米の怪物ダブル獲得を目指す。王貞治球団会長(79)がスカウト会議出席のため都内のホテルに入ると「いよいよ明日だな。何個(チーム)来るかな。空くじしかないのはつまらないからな」とつぶやき、競合を覚悟した。1位指名の名前は公表しなかったが、163キロ右腕の大船渡・佐々木で一本化した模様だ。

孫正義オーナーの号令の下、「世界一」を目指すチームは今季途中に米大リーグ・ドラフト1巡目指名されていたスチュワートを獲得。今回のドラフトでもアマ球界トップの逸材を狙う。「その年の一番いい選手に行くのがうちの方針」(永井編成育成本部長)というスタイルで15年の高橋純や16年田中を競合の末に指名した。佐々木に対しては、7月の岩手大会で三笠GMが直接視察に訪れるなど熱視線を送ってきた。今月10日には11球団の大トリで佐々木と面談。担当の作山スカウトらと同席した福山アマスカウトチーフが「私の20年のスカウト人生の中で、彼ほど素材感のすごい選手はいない。最終地点が想像つかない」と高い評価を明かしていた。

会議後、王球団会長は「もうアウトラインはできていたからね。公表してもいいけど、しない」と話した。昨年は小園の1位指名を電撃公表したが、今年は一転して名前は挙げなかった。それでも「(当日になっても)99%変わらない」とチームとしての固い意志を示した。佐々木を引き当てることができれば、日米の「金の卵」がそろい踏みし、切磋琢磨(せっさたくま)することになる。3年連続日本一への戦いを前に、まずは大きな夢をつかみ取る。

▽ソフトバンク工藤監督「(競合は)避けられないと思う。いい投手はたくさんいますから。(クジは)僕が引くというよりも、残っているものを取ることも多い。こういうのはご縁なので、ご縁がめぐってホークスに入ったら一緒に頑張ってほしい」