みちのく高校球界を沸かせた甲子園経験者2人の東海大(首都)合格が、19日までに決まった。今夏に3季連続甲子園出場を果たした八戸学院光星(青森)の最速142キロ右腕・後藤丈海投手(3年)は、スライダーなどの変化球に加え、気持ちの強さが武器。今春センバツに出場した盛岡大付(岩手)の佐々木俊輔内野手(3年)は、走攻守3拍子そろったセンスの良さが光る。

リーグ戦4季連続73度目の優勝を誇る全国屈指の強豪で、技術面も精神面もさらに磨きをかける。

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八戸学院光星・後藤は子どもの頃から背中を追い続けてきた2歳上の兄生海内野手(2年)と、再び一緒にプレーすることになった。合格の知らせを受け、「いつかまた兄とやりたかった。甲子園経験者が多いチームで、常に高い意識をもってプレーしたい」と決意を新たにした。

兄は地元の東海大仰星に進学も、甲子園を目指し大阪を飛び出した。背番号1で臨んだ今春センバツでは1回戦で広陵(広島)に0-2。強豪を5安打に抑えるも、自らのバント処理ミスが失点につながり敗れた。雪辱を期した夏は、県大会初戦で右ひじに激痛が走った。それでも懸命にリハビリを続け、背番号16で2度目の甲子園に。誉(愛知)との開幕戦で先発の大役を任せられ、自己最速を1キロ更新する142キロをマーク。5回を59球、1安打無四球と真骨頂の打たせてとる投球で鮮やかに復活した。

東海大は今秋、4季連続73度目の優勝を果たした。入試の際に訪れた合宿所には巨人菅野、巨人大城らのOBプロのユニホームが誇らしげに飾られていた。中でも09年WBCで世界一に輝いた巨人原監督の侍ジャパンユニホームにはときめいた。「あらためてすごい大学だなあと思った」。指導者になることも想定し教職もとる予定だが、プロは諦めていない。同僚の武岡龍世内野手がヤクルト6位、伊藤大将内野手がソフトバンク育成3位で指名を受けた。「うれしかったけど先に行かれた悔しさもあった。いつか同じ舞台で戦いたい」。技巧派右腕は、ハイレベルな首都リーグで腕を磨き、4年後の夢舞台を目指す。

◆後藤丈海(ごとう・たけみ)2001年(平13)7月3日生まれ、大阪市出身。鴫野小1年から軟式の鴫野パイオニアで野球を始め、城陽中では大阪城東シニアに所属。関西選抜で台湾遠征に参加した。50メートル走は6秒8、遠投102メートル。170センチ、71キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄2人。血液型O。好きな選手は日本ハム金子。