天才を超える。ロッテから楽天へFA加入する鈴木大地内野手(30)が29日、「2019 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞」に選出された。セ・リーグの年間大賞に選ばれた阪神高山と都内で表彰式に出席し、トロフィーと賞金200万円を獲得した。

憧れを上回りたいと願った。表彰式ゲストに巨人前監督の高橋由伸氏が出席。桐蔭学園の先輩で、同じ右投げ左打ち。高校時代はフォームをまねるほど尊敬した。プロ入り後も気にかけてくれる同氏の数字は1つの指標。現役通算サヨナラ打が6度と聞き「自分は5回なので、あと2回。唯一、由伸さんを超えるものにしたい」と力を込めた。

もちろん自らのためだけではない。今回年間大賞に選ばれたサヨナラ打は6月16日の中日戦。5点を追う9回に先頭でソロを放つと、1点差に迫った2死満塁でバットを折りながら一、二塁間を破って試合を決めた。熱狂のスタンドに「一生忘れることはないと思う」と歓喜の深さを知り「サヨナラ打は打てたらみんな幸せになる」と刻んだ。

ファンを喜ばせ、チームを勝利に導く。「そういう思いでやり続けていきたい」。新天地で憧れのスターを超えるサヨナラ男になる。【島根純】