球界最年長でものんびりしません! 阪神福留孝介外野手(42)が9日、岐阜・大垣市内で恒例の「山崎武司チャリティーゴルフコンペ」に参加し、東京オリンピック(五輪)イヤー仕様の超速仕上げを予告した。

来季は五輪期間のシーズン中断を踏まえ、今季より9日早い3月20日開幕。マイペース調整を許される立場だが、例年以上のハイペースを自らに課し、虎をロケットスタートに導く。

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福留は山崎氏と談笑している最中、20年調整プランの一端を明かしたという。

「オープン戦の出方をちょっと前倒ししないといけないかもしれませんね」

兄貴分に伝えた本音に、五輪イヤーに懸ける覚悟が見え隠れした。

来季の開幕日は3月20日。東京五輪期間の夏場にシーズンが中断するため、今季より9日も早くペナント争いが幕を開ける。

「9日って意外と大きい。そういう気持ちを持って自主トレなりをやっていかないといけない」

18ホールを終えた直後、福留はあらためてハイペース調整を予告した。

今季限りで43歳ロッテ福浦が現役を引退した。虎のレジェンドは球界最年長選手として43歳シーズンを迎えることになるが、悠長に構えるつもりはない。

ここ2年は2月下旬のオープン戦で初実戦を踏んできた。「そこ(初実戦)まではまだ考えていない。体の仕上がり、状況を見て考えたい」と話すにとどめたが、初実戦のタイミングを大きく前倒しする可能性も十分ありそうだ。

そんな頼もしい後輩の活躍を、中日時代の先輩たちは信じて疑わない。45歳シーズンで現役引退した山崎氏は楽天時代、当時の野村監督に「真っすぐを打てなくなったら、(引退の)お迎えが来る」と叱咤(しった)され続けたという。「打者は目が命。孝介はまだしっかり狙い打ちができているから」と納得顔だ。

山崎氏は「孝介は、絶対オレ(山崎氏)より長くやるって言っている。最低45はクリアしていきたいって」と2人の会話を明かした上で「45歳は行きそうな気がする」とイメージ。50歳まで現役を続けた山本昌氏も「40歳を越えると肩、打撃は言うほど変わらない。技術は上がっていくし、経験も積める。十二分にやれる」と太鼓判を押す。

今季は両ふくらはぎを負傷するなど2度の2軍生活も経験。104試合出場で打率2割5分6厘、10本塁打、47打点。山崎氏には「今年は消化不良だった」と悔しさをにじませていたという。糸井、近本に高山…。どれだけ外野争いが白熱しようとも、福留が易々と主軸の座を明け渡すことはなさそうだ。【佐井陽介】

◆43歳シーズンに活躍した主な野手 100試合以上に出場したのは過去6人。このうち91年門田(ダイエー)、96年落合(巨人)の2人が規定打席に到達している。阪神では金本が11年満43歳に。4月に連続試合出場が1766試合で途絶えたものの、シーズン122試合に出場と踏ん張った。なお、阪神球団の最年長出場記録は、金本が12年に達成した44歳6カ月。

◆虎の2020年春季キャンプ 東京五輪の影響からセ・パ同時となる3月20日開幕を見越して「前倒しキャンプ」になる。矢野監督はすでに春季キャンプの実戦について「第1クールからやるよ。だって(開幕が)前倒しだもん」と明かしている。最初の対外試合は今春よりも1週間近く早い2月8日に中日と練習試合を予定。26日にキャンプを打ち上げる。