後輩へ、2つの指令を出した。来年1月1日付で日本ハムのスペシャルアドバイザーに就任する田中賢介氏(38)が22日、同じ福岡出身の中島卓也内野手(28)と札幌市内で行われたファンミーティングに参加。例年1月に沖縄・宮古島で自主トレをともにした後輩に<1>レギュラーで全143試合出場<2>打率2割8分、の“達成目標”で奮起を促した。

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師弟関係を結ぶなど、現役時代から気にかけてきた中島へ、田中氏がハッパをかけた。「まずはタク(中島)がしっかりレギュラーとして143試合出ることが一番大事。それが入れ替わっているようだとチームとしても厳しい。2割8分くらいバシッと打ってね」。今季は120試合出場も、先発は91試合と不本意なシーズンだった後輩を鼓舞した。

中島自身、今季成績を悔いている。「今年は打てなかったから出られなかったというのもある」。2割2分に終わった打率もそうだが、ウイークポイントがあった。「一番目立ったのが直球の打率だった。シーズン通算打率より全然低かった。2割を切っていたと思う」。真っすぐが弱点だったと知り、早速、課題克服に着手した。

シーズン終了直後、用具契約を交わすデサント社にバットの改良を依頼した。「振り幅を大きくしていて、それで重いと(軌道が)遠回りしていたのかなと。それに応じたバットも必要」と考えてのこと。今季の83センチ、910グラムのタイプから約2、3センチ長くし、重さは890グラム、900グラムの2種類を新調した。「僕は(元々)短く持つので、長さはそこまで変わらないと思うけど、重さは変わるかもしれない」。きっかけにつなげたい。

右肘に痛みがあり現在は打撃練習を回避しているが、1月の沖縄・宮古島自主トレから新バットで振り込む予定だ。昨年まで同島で合同自主トレを行っていた田中氏も1月中旬に訪問予定で「監視しに行きます」と笑う。「(自分が)いなくなることでなにか変化があって、それがプラスに働けばすごくいい。リーダーシップをとってやってもらいたい」。同郷の後輩が、一皮むけることを期待している。【山崎純一】

◆田中賢の打撃成績 日本ハム在籍18年で1499安打(208二塁打、48本塁打)、486打点、通算打率2割8分2厘。シーズン最高打率3割3分5厘(10年)を記録するなど、打撃10傑入りが3度(10年2位、12年5位、15年9位)ある。179犠打、203盗塁と俊足巧打の内野手だった。※メジャー成績を含めると安打は1507本、打点は488、盗塁は205に増加。