アップル…じゃなくて、みかんの名産地、愛媛・今治市内で西武外崎修汰内野手が自主トレを公開した。楽天浅村栄斗内野手らと技術練習、体力強化ともに、みっちり消化。「例年よりも強度は上がっている」とシーズンへの準備を進めた。

チームのリーグ3連覇を目指すことを前提とした上で「あの中でしか味わえない。ぜひチャンスがあれば出たいし、選ばれたいという気持ちは強い」と東京オリンピック(五輪)出場を熱望した。

昨季は143試合に出場し、26本塁打、90打点で山賊打線の中核を担った。一方、プレミア12ではスタメン、代打、代走とフル稼働。スタメン時の打順も5、6、9番。守備も二塁、三塁をこなし、シートノックでは外野にも入った。「内野だけじゃなくて外野もできる。ユーティリティーという部分で自信にもなった」と侍ジャパンでの立ち位置をイメージできるようになった。

クリーンアップを打てる外崎の場合は「万能型選手=控え選手」の概念は当てはまらない。西武ではポイントゲッター、侍ジャパンでは「出塁してチャンスをつくるのが自分の役割だと考えていた」。役割に応じたツープラトンを使いこなし、プレミア12では16打席で4四球を選び、打率1割台も出塁率3割7分5厘をマークした。

もっとスケールアップするための課題もある。リーグワースト4位の132三振を喫し「追い込まれてからが弱い」と自己分析。広島鈴木、日本ハム近藤から「追い込まれても変わらないし、三振したくないとかバットに当てたいとか思わない」と教わった。昨季の22盗塁から「(打率)3割は高めの目標としてある。30盗塁は届かせたい」と走攻守を磨き上げる。

青森・弘前市内の実家は「りんご園」を営む。“りんごりんご”と繰り返せば、その中に「五輪」が浮かび上がる。【為田聡史】

◆外崎修汰(とのさき・しゅうた)1992年(平4)12月20日、青森県弘前市生まれ。弘前実-富士大を経て、14年ドラフト3位で西武入団。3年目の17年からレギュラーに定着。19年は全試合に出場し、自己最多の26本塁打を放ってリーグ連覇に貢献。17年アジアCS、18年日米野球、19年プレミア12日本代表。今季推定年俸1億4000万円。177センチ、78キロ。右投げ右打ち。