日本3投手もメッタ打ち被害に?/検証サイン盗み4

  • 17年10月、ワールドシリーズ第3戦 アストロズ対ドジャース 2回裏アストロズ無死、ドジャース・ダルビッシュはグリエル(手前)に先制の本塁打を打たれる

メジャーの「サイン盗み疑惑」が深刻な事態となっている。昨年11月、敏腕記者の告発に端を発して調査が始まり、アストロズ、レッドソックス、メッツが監督を解任。「クロ」が確定したア軍には、500万ドル(約5億5000万円)という罰金が科された。収束の気配を見せず、長いメジャーの歴史でも類を見ないスキャンダルに発展している。ここまでの経緯を整理する。

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ドジャース前田健太投手は17日に、大リーグで問題となっているサイン盗みに言及している。

17年ワールドシリーズではアストロズに敗れ、第5戦でアルテューベに同点3ランを喫した。それでも「実力で打っている打者もいる。アルテューベの1発も(サイン盗みか)分からない。事実いい打者なので。メッツの監督なんかこれからっていう時にかわいそうかなと思いますけど(サイン盗みを)なくしていく方向に向かうのは投手としてはありがたい」と話した。

<サイン盗み被害が疑われる日本投手の登板>

◆田中 17年5月14日・本拠地アストロズ戦 初回に先頭から連続被弾するなど3本塁打を浴び1回だけで5安打6失点。「そんなに深刻な悪さではなかった」と振り返っていた。

◆田中 18年4月11日・敵地レッドソックス戦 4回までは10者連続凡退を含む2安打1失点と好投していたが、突如つかまり5回だけで5安打5失点だった。

◆田中 19年7月25日・敵地レッドソックス戦 1回にいきなり先頭から単打、四球、本塁打と投げては打たれ、自己ワーストの12安打12失点で3回1/3でKOされた。

◆ダルビッシュ 17年10月27日・ワールドシリーズ第3戦の敵地アストロズ戦 1回は抑えたが2回に先頭弾を含む5安打4失点とKOされた。

◆ダルビッシュ 17年11月1日・ワールドシリーズ第7戦の本拠地アストロズ戦 1被弾を含む3安打5失点で1回1/3で降板。

<スキャンダル経緯>

▽19年11月12日 米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が、アストロズのサイン盗みを暴く記事を掲載。15~17年にア軍に所属したファイアーズ投手(現アスレチックス)が本拠地球場のセンターに設置したカメラで相手捕手のサインを盗んでいたことを実名で告白。コーラ前レッドソックス監督らも関与と伝えた。

▽同14日 MLBがサイン盗み疑惑についてアストロズを調査すると発表。

▽20年1月7日 ローゼンタール記者が、今度はレッドソックスが18年にいかにサイン盗みのシステムを構築したか暴露する記事を発表し、MLBがレッドソックスも調査開始。

▽同13日 MLBが9ページに及ぶア軍調査結果を発表し、ヒンチ監督とルノーGMの1年間職務停止、500万ドルの罰金、ドラフト1、2巡目指名権2年間剥奪を発表。

▽同13日 ア軍オーナーがMLBの処分発表を受け、ヒンチ監督とルノーGMの解任を発表。

▽同14日 レッドソックスがア軍コーチ時代にサイン盗みを主導したコーラ監督の解任を発表。

▽同16日 メッツがア軍の選手時代にサイン盗みを主導したベルトラン新監督の辞任を発表。球団の説得によるもので、事実上の解任だった。