虎の2月沖縄・宜野座キャンプで、今世紀最大のサバイバルが展開される。阪神は24日、兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場に隣接する虎風荘で合同コーチ会議を開き、2月1日から沖縄・宜野座で行う1軍キャンプメンバー44選手を発表した。44人は01年以降最多タイで、中でも投手23人は同最多と激しい競争が繰り広げられる。

   ◇   ◇   ◇

今世紀最大のサバイバルは、数字となって表れた。合同コーチ会議で1軍キャンプのメンバーが決定。44人は12年以来の大所帯だが、特に目を引くのは投手陣の多さ。今世紀最多、23人の1軍キャンプ派遣が競争の激しさを物語っている。

矢野監督 (早くから)実戦をやるのもある。外国人投手がいきなり投げるのは考えにくい。そういうところで人数が増えたのもある。

第1クールからシート打撃が予定されており、先発ローテや救援枠を争うバトルは早々と幕を開ける。

矢野監督 みんなで。うちの強みはピッチャーだと思う。先発も中継ぎも全部、楽しみにしている。若手の台頭というのは刺激になると思うんで、期待しています。

外国人選手を除いた多くの投手が登板する可能性があり、選手も激烈な戦いを覚悟している。復活を期す藤浪は「まずローテーションを目指して、目の前の1試合1試合で結果を残すこと」。初の1軍春季キャンプとなる高橋も「初日から投げられる状態にしてきたつもり。開幕ローテに入れるように頑張りたい」と表情を引き締めた。

2軍の高知・安芸スタートとなった選手にもチャンスはある。すでにキャンプ期間中の1、2軍メンバー入れ替えの可能性も示している矢野監督は「今回の振り分けが今シーズンを決めるものでもない。2軍からはい上がってくる姿も楽しみにしている」と改めて強調した。

投手陣だけでなく、各ポジションや外国人枠を巡るバトルもスタートする。

矢野監督 例年になく実戦が早くなって、スタートの時点で競争が始まるようなキャンプになる。まずは味方に勝たないと試合には出られない。同じユニホームを着てますけど、チーム内競争が激しくなることを期待しています。

今世紀最大バトルの結果はいかに…。目が離せないキャンプとなる。【松井周治】

 

○…矢野監督は開幕投手についても改めて競争を明言した。「実績、格から言えば、西(勇)がやるのが本命に近いというのは誰が見てもそう。でもそれを脅かすというのがこっちは期待するところ。あっと驚く選手が出てくるやろ。それに負けない西も見てみたい。開幕投手も競争」。昨年10勝を挙げた西勇が最有力候補だが、こちらも激しいバトルとなりそうだ。

○…外国人枠を巡る争いも注目だ。メジャー通算92発のジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)をはじめ新助っ人5人を含む外国人7選手が、宜野座キャンプメンバーとなった。矢野監督は「外国人も競争。初めから誰が出れると決まっていない」と競争原理を貫いていく。