インテリジェンスな長身右腕が、南国沖縄でベールを脱いだ。新戦力の日本ハム、ドリュー・バーヘイゲン投手(29=タイガース)が2日、沖縄・名護で来日後初のブルペン入り。

栗山英樹監督(58)ら首脳陣が見守る中、捕手を座らせて背番号と同じ36球を投げ、制球の良さを印象づけた。日本文化に興味津々で、夢は「富士山に登ること」と言う先発枠候補が、新天地で頂点を目指す。

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身長198センチの助っ人右腕が、来日初ブルペンで持ち味の制球力を発揮した。審判つきの投球練習で、直球のほかスライダーやパワーカーブを交えて、背番号と同じ36球。16球がストライク判定と、難なく日本のストライクゾーンに適応した。「アメリカと似通っている。(審判がいることで)闘争心を持ってブルペンに取り組むことが出来て良かったよ」。公式球についても「小さいけど手になじんで気に入っている」と、相性は良さそうだ。

実際にブルペンを見守った厚沢投手コーチは「バンデンハーク(ソフトバンク)とグライシンガー(元ヤクルト、巨人、ロッテ)を掛けて、ケッペル(元日本ハム)で割った感じかな」。2桁勝利を記録している“優良助っ人”の名前を並べ「非常にコントロールが良い印象。初めてグライシンガーを見た時の印象に似ている」と、かつてセ・リーグで最多勝2度を誇った右腕の姿に重ねた。

異文化への適応力も高い。米国南部の名門大出身で、日本文化に興味津々。日本でかなえたい夢は「富士山に登ること」という。外国人の多くは、牛肉に生卵をつけるすき焼きの食べ方に尻込みするというが「何それ。面白そう」と、キャンプ初日に挑戦し「スキヤキ、ベリーグッド」と一瞬で恋に落ちた。刺し身も、すっかり好物に。1月30日に来日したばかりだが、毎日新しい日本語を習得しており「真面目で頭がいい」と評判だ。

栗山監督は「コントロールの心配がない。力強く投げながら、バランスもいい。(球の威力は)もっと強くなると思う」とうなずき「すごく楽しみです」。知的で好奇心旺盛な最速158キロの先発候補は「十分、手応えはある」と、新天地での活躍に自信たっぷりだった。【中島宙恵】

◆昨季パ・リーグ外国人投手 登板数はブセニッツ、ハーマン、宋家豪の3投手がフル回転した楽天の152試合がダントツで<2>西武97<3>ソフトバンク90<4>オリックス82<5>ロッテ80<6>日本ハム57の順だった。

▼勝利数<1>西武17<2>ソフトバンク、楽天12<4>オリックス10<5>日本ハム8<6>ロッテ5

▼セーブ<1>オリックス18<2>ソフトバンク4<3>西武、日本ハム3<5>楽天、ロッテ0

▼ホールド<1>楽天73<2>ソフトバンク34<3>西武17<4>日本ハム11<5>ロッテ、オリックス8。