東京オリンピック(五輪)の4番は誠也で揺るがない。侍ジャパン稲葉篤紀監督は9日、宮崎・日南で広島キャンプを視察。プレミア12で全試合4番を張り、大会MVPで世界一に導いた鈴木誠也外野手のランチ特打に感嘆した。

57スイングで柵越え13本。数字以上に「いろんな球団を回っているが打球の強さ、飛距離はちょっと他の選手とは違うなと」と唯一無二のクオリティーを感じた。

だからこそ期待の言葉も1歩、踏み込んだ。「五輪のメンバーが決まり、練習試合も含めた中で決まっていくとは思うが、プレミア12を見ていると鈴木誠也が当然4番に、というところで考えていきたい」。半年の選考は残されるが、オーダーのど真ん中に据えることは必然の流れだ。

鈴木も泰然と自覚を示した。「たくさんいい打者の方々がいる中で、結果的に4番を打たせてもらうのはありがたいこと。まだまだいい選手がいるので、その方たちに負けないように頑張っていきたい」。指揮官とは、プレミア12優勝後の反響の大きさを話した。「また五輪で金メダルを取ると、もっと変わる」と声を掛けられた。世界一メンバーの会沢、菊池涼も含め、稲葉監督にとって「3本の矢」は別格の存在。その中でも鈴木は極太の矢だ。【広重竜太郎】