期待の若武者が大ハッスルした。日本ハム万波中正外野手(19)が9日、今季初の対外試合となる阪神との練習試合(宜野座)に8番中堅で出場し、2安打3打点と暴れた。5回無死一、二塁の第2打席に中前へ先制適時打、続く6回には左中間を破る2点適時二塁打を放った。1軍生き残りへ、大きなアピールとなった。

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開幕1軍争いへ、万波が食らいついた。今季初の対外試合で2安打3打点。「今日打たなかったら本当にやばいと思っていた。崖のすれすれに立っているような気持ちだった」。前日の紅白戦は2打数無安打。「かなり危機感があった。結果が出たのでほっとしている。自分を勇気づける意味でも『大丈夫だぞ万波』みたいなそんな気持ちで。本当にギラギラしていた」。悔しさを取り返した。

一振りに込めた。5回無死一、二塁の第2打席、阪神小野の初球ストレートを振り抜き、先制の中前適時打を放った。「追い込まれたら正直なかなか打つ自信がない。苦手なところにいく前になんとか」。続く6回無死一、三塁でも、1ボールから左中間を破る2点適時二塁打。「1球で仕留められたことに価値があると思う。今日の結果はよかった」とうなずいた。

2月の阪神戦は、スター街道へと続く。08年には高卒1年目の中田が左翼場外へ“プロ1号”。15年には同3年目の大谷も1発を放っている。昨季1軍で2試合の出場に終わった万波も、2軍では90試合で14本塁打。「やるしかない。前に進んでいくしかない。なんとかくらいついて」と、偉大な先輩の背中を追う。

試合後栗山監督は「当たったね。気持ちいいね。当たらないからって、当てにいくのはダメだろ。(2三振に)当たらないんだけど、もっと振れるくらいの覚悟を感じた」と評し、小笠原ヘッド兼打撃コーチも「しっかりと彼らがハッスルすると活気づくんじゃないかな」と、さらなる活躍を期待した。万波は「毎日背水の陣ではないですけど、そういう気持ちで結果を出していきたい」。開幕1軍を勝ち取るべく、バットでアピールを続ける。【山崎純一】

◆春季キャンプ中の阪神との練習試合 08年は高卒1年目だった中田が、左翼場外へ消える推定130メートルの特大弾。15年には3年目だった大谷も、この年の実戦初打席となる第1打席に、左翼席へ本塁打を放った。最近では18年に近藤が3打数3安打と活躍、昨季も来日1年目の王柏融が2打数2安打と、2月の阪神戦の成績が、シーズンにもつながっている。