巨人阿部慎之助2軍監督(40)が16日、対外試合初戦の広島との練習試合(特別ルール)を白星で飾った。

同点の9回2死三塁、代打に送ったベンチ入り最後の野手、小山の右中間への適時二塁打で勝ち越した。「そりゃ勝てばうれしいよ。負ければ悔しいし」と対外試合初勝利を喜んだ。

普段はあまりほめない男がうなった。決勝打を放った育成捕手の小山に「最後までゲームを見ていた子が結果出すのはすごいと思う。ほめてあげたい」。自身も現役最終年の昨季、代打として60打席に立った。結果は46打数11安打、打率2割3分9厘。難しさが分かるからこそ「そういう中で小山は1打席で結果を出せた」と惜しみない賛辞を贈った。

2軍で結果を残すことが目標ではない。全ては1軍で活躍するために。必要とされる野手を育てる。この日は足でかき回した。結果的に打者が打ち、ランエンドヒットになったものを含めると、7つの盗塁を企画した。犠打や右打ちを合わせた小技を多用し「1軍に行った時にも必要になる。一番求められるところ。2軍でも普通にできるように教育していきたい」と言った。キャンプインから16日。「阿部イズム」が浸透している。【久永壮真】

▽巨人小山(9回に代打で勝ち越し打)「どうしてもチャンスは平等ではない。少ないチャンスをものにできるように準備していきたい」