グラウンドに右膝を付きそうになりながらも、巨人イスラエル・モタ外野手(24)がボールをかち上げた。8回無死。133キロのフォークに体勢を崩されたが、ヘルメットをふき飛ばすほど強振。

長嶋茂雄終身名誉監督をほうふつとさせるフルスイングに「くらいついた。毎日競争。結果を出してアピールするしかない」。第2打席の左前適時打に続き、第3打席では右前に技ありの一打を放ち「どんなボールにもコンタクトできるように準備していた」と笑顔を爆発させた。

今季は新戦力に左打者のパーラを獲得したが、右の大砲候補の補強はなし。期待を背負い、キャンプファームスタートから、沖縄1軍キャンプの切符をつかんだ。体勢を崩されながらスタンドまで運んだ1発に、原監督も「うまく風に乗せたね。スピンを利かせられるバッターはそうそういません」と長距離砲の資質を感じ取った。育成枠のモタはここまで実戦9試合で32打数11安打。打率3割4分4厘に加え、チームトップの9打点を挙げて、支配下登録へ猛アピールを続けている。

◆イスラエル・モタ 1996年1月3日、ドミニカ共和国生まれ。ベセル高卒業後、13~17年まで米大リーグナショナルズ傘下のマイナーでプレー。17年に母国で巨人軍のトライアウトを受験するも不合格。浪人生活を経て18年に再受験し合格した。19年シーズンから育成契約。昨季はイースタンリーグで22試合出場、打率3割1分3厘、1本塁打、6打点。188センチ、98キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸260万円。